研究課題/領域番号 |
06402058
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉山 雄一 東京大学, 薬学部, 教授 (80090471)
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研究分担者 |
加藤 将夫 東京大学, 薬学部, 助手 (30251440)
鈴木 洋史 東京大学, 薬学部, 助手 (80206523)
寺崎 哲也 東京大学, 薬学部, 助教授 (60155463)
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キーワード | 胆汁排泄 / 胆管側模透過 / 有機アニオン / 一次性能動輸送 / 輸送担体 / クローニング / Dubin Johnson症候群 / 遺伝的変異 |
研究概要 |
今年度は、特に、胆管側膜上に存在する、有機アニオン輸送担体(cMOAT)に注目し、そのmolecular cloningを試みた。我々は、多剤耐性癌細胞膜上には、multiple drug resistance associated protein(MRP)と呼ばれる一次性能動輸送担体が存在し、一部の制癌剤の細胞外への排出に関与することに注目し、検討を加えた。すなわち、MRPの輸送担体の基質特異性が、cMOATと類似すること、並びに、一連の一次性能動輸送担体には、保存されたATP-binding cassette(ABC)部位が存在することから、human MRPのカルボキシ末端のABC部位に対応するdegenerate primerを作成し、ラット肝cDNAを鋳型としてPCRをおこなった。その結果、421bpのフラグメントが増幅され、このフラグメントは、human MRPとアミノ酸レベルで73.3%、核酸レベルで66.3%のhomologyをい有していた。このフラグメントを用いてNorthern blotを行ったところ、正常ラット肝のpoly A^+RNAからは約5kb、8.5kbの2本のbandが検出されたのに対し、cMOATを遺伝的に欠損しているEisai hyperbilirubinemic rat(EHBR)では、2本のbandとも検出されなかった。これらの結果から、増幅されたフラグメントが、cMOATの一部をcodeすること、およびこのフラグメントの発現欠損が、EHBRおよびhumanにおけるDubin Johnson症候群の病因となることが示唆された。
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