研究課題/領域番号 |
06402059
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
富田 眞治 京都大学, 工学部, 教授 (40026323)
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研究分担者 |
森 眞一郎 京都大学, 工学部, 助手 (20243058)
中島 浩 京都大学, 工学部, 助教授 (10243057)
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キーワード | ボリューム・レンダリング / 可視化 / コンピュータ・グラフィックス / 並列処理 / 専用計算機 / 実時間処理 / 3次元メモリ / 遠近法 |
研究概要 |
本年度は、ボリュームレンダリングを高速に行う専用並列計算機Re Volver/C40のアーキテクチャを提案し、プロトタイプ・マシンの設計を行った。 Re Volver/C40では、従来の医療用の画像だけでなく、科学技術計算の結果の可視化をサポートする。このため、半透明ボリュームの表示、遠近法による投影、高速描画を目標としている。また、従来のサーフェスデータでは表現が困難であった霧、雲などのような表面の境界が曖味な対象の可視化を行うため、ボリュームデータを用いたレイトレーシング法をサポートする。 これらの目標を達成するために、Re Volver/C40では、視線生成ステージ、ピクセル値計算ステージ、シェ-ディングステージからなる3ステージのマクロパイプライン構成を採用している。また、各ステージについても並列処理やパイプライン処理により画像生成の高速化を図っている。また、各ステージの主要な構成要素として汎用の高性能DSPを使用しており、柔軟性の非常に高い構成となっている。 Re Volver/C40の最大の特徴は、ピクセル値計算ステージでのボクセル・パイプライン処理である。ボクセル・パイプライン処理は、ボリュームデータを保持するメモリバンクでのボクセルの読み出しとピクセル値計算の処理を1つのステージをし、視線毎にパイプライン処理を行う方式である。このボクセル・パイプライン処理を効率良く稼働させるために、単純化されたサンプリング方法とこれに合わせたボリュームメモリ構造を採用している。これにより、任意の視線上の全ボクセルのバンクコンフリクトフリーな読み出しが可能となるので、ボクセル・パイプライン処理によるパイプラインが停滞しないことを保証できる。 設計したプロトタイプ・マシンの性能は、ボリューム空間が128^3voxelの時で、レンダリングの対象を不透明ボリュームとすると約68.1ms/frame、半透明ボリュームとした場合、94.4ms/frameとなった。
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