研究概要 |
最近,計算機のダウンサイジングの進展により,ワークステーションをネットワーク結合した利用形態が一般的になってきている.このような形態のシステムでは,従来と異なる利用者どうしの協調作業を支援するCSCW(計算機援用協調作業)システムが実現できる.本研究では,データベースの能力を併用し,一般的なCSCWシステムより高機能なシステムを実現することを目標とする.以下のような方針で研究・開発を行った. 1)既存のシステムではビデオによる方法が一般的であるが,ビデオによらない方法の併用を行う. 2)現実世界のシミュレーションだけでなく,現実世界でできないことを機能として実現することを検討する. 3)再利用等を行うデータベース機能をできる限り用いる. 主な成果は次のとおりである. 1)オブジェクト代行モデル,協調環境モデル,動作ビュー機構といった,データベースビュー機能の拡張概念を導入した. 2)ハイパーメディアの共有によって生じる干渉問題を扱うために,環境アウェアネス機構,利用者と作業の可観測性と可制御性の概念を導入した. 3)さらに高度な協調を行うために,能動データベースの機能やワークフロー表現の拡張を行った.すなわち,能動機能の対象に人間が含まれている場合のプライバシー保護の問題への対処および,環境の変化による協調条件の変化の扱い,代表的なワークフロー表現であるIDEFOへの拡張機能の付加を行った. 4)環境アウェアネス機構と個別化機能を持つハイパーメディアシステムのプロトタイプ開発を行った. 5)3D協調作業空間およびWWWの協調検索への応用について検討を行い,プロトタイプ開発を行った.
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