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1994 年度 実績報告書

過渡回折格子法による広時間領域における反応分子ダイナミクスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 06403007
研究機関京都大学

研究代表者

広田 襄  京都大学, 理学部, 教授 (90093301)

研究分担者 木村 佳文  京都大学, 理学部, 助手 (60221925)
寺嶋 正秀  京都大学, 理学部, 助教授 (00188674)
キーワード過渡回折格子 / 励起分子ダイナミックス / ラジカル拡散
研究概要

モード同期YAGレーザーで励起した色素レーザーからの出力(200fs,640nm)を増幅後三つに分割し、その内の二つの倍波を取ることで紫外のサブピコ秒レーザー光を作った。この光を試料の位置で交差させ、励起種の過渡回折格子(TG)を作り、残りの可視光のレーザーでプローブすることで、サブピコ秒の時間分解能を持つTG装置を組み立てた。これを用いて、ベンゾフェノンやアゾベンゼンの励起状態から放出される熱のダイナミックスをピコ秒のオーダーで検出することに成功し、溶質から溶媒へのエネルギーの流れについての情報を得ることが出来た。これは熱検出としては世界最速の記録である。また、ピコ秒YAGレーザーの3倍波(30ps,355nm)を励起光に、同じレーザー励起の色素レーザーの出力(30ps,640nm)をプローブとして、ピコ秒ナノ秒の時間領域での測定を行えるシステムも完成した。この装置を利用して、先端出力の低い条件下で試料を励起して、エネルギーダイナミックスを調べることが可能となった。さらに、この紫外光の高出力性を利用して、先端出力の低い条件下で試料を励起して、水溶液中でのTG信号を検出することに成功し、新しいグレーテイング成分(温度グレーテイング)の研究を現在進行中せある。マイクロからミリ秒オーダーでは、ナノ秒YAGレーザー励起により、種々のラジカルを発生させ、その拡散定数を溶液から超臨界状態にいたる広い条件下で測定し、ラジカルに特異な拡散現象を明らかにしつつある。このように広い時間領域において、励起分子のダイナミックスの研究を行う準備が完了し、現在広範囲の研究を行っている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M.Terazima: "Translation diffusion of transient radicals created by the photoinduced hydrogen abstraction reaction in solution" Journal of chemical physics. 102. 2506-2515 (1995)

  • [文献書誌] Y.Kimura: "Application of the Transient Grating Method to the Measurement of Transport Properties for High Pressure Fluids" Bar.Bunsenges.phys.chem.99. 196-203 (1995)

  • [文献書誌] K.Ohara: "FT-EPR study of the CIDEP of 2-propanolyl radical produced by the reaction of acetone with triethylamine" Chemical Physics Letlers. 232. 169-175 (1995)

  • [文献書誌] M.Terazima: "A New Method for Circular Dichroism Detection Using Cross-Polarized Transient Grating" Journal of Physical Chemistry. 99. 1834-1836 (1955)

  • [文献書誌] M.Terazima: "Temperatare lens and temperature grating in aqueous Solution" Chemical Physics. 189. 793-804 (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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