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1994 年度 実績報告書

高温において不安定な固体金属硫化物の低温液相合成と物性

研究課題

研究課題/領域番号 06403009
研究機関東京大学

研究代表者

齋藤 太郎  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90011006)

研究分担者 井本 英夫  東京大学, 大学院理学系研究科, 講師 (20168529)
小林 昭子  東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (50011705)
キーワードクラスター錯体 / クロム / トリアルキルホスフィン / 伝導性固体化合物 / 正八面体 / DV-Xα法
研究概要

M_6E_8(M=Cr,W;E=S,Se)骨格を有する伝導性固体化合物のクラスター錯体からの合成を最終目的として、出発クラスター錯体の合成法の確立と基本的性質の解明をめざした。CrCl_2,PR_3(R_3=Me_3,Et_3,Me_2Ph,MePh_2),Na_2Seの反応により〔Cr_6Se_8(PR_3)_6〕を合成・単離してX線単結晶構造解析をおこなった。クロムの骨格構造がトリアルキルホスフィンのアルキル基に依存して顕著な歪みを示すことが明らかになった。配位ホスフィンにおけるリン原子の正八面体の歪みが結晶充填の効果を直接的に示すとみなして、クロム骨格の歪みを解析した結果、リン八面体の歪みを引きずる部分とCr_6Se_8の電子構造に基づくJahn-Teller効果の相乗作用が働いていることが示された。電子構造はDV-Xα法分子軌道計算により求めたが、軌道準位が金属間距離に極めて敏感であること、モリブデン類似体と比べ金属間結合が弱いことが分かった。またモリブデン類似体と異なり、温度依存の常磁性を示す。
固体化合物の低温合成の第一歩として、配位トリアルキルホスフィンを段階的に除去することを試みた結果、(9-BBN)_2共存下、トルエン中で錯体を還流加熱することにより、新種クラスター錯体が生成した。予備的X線単結晶構造解析の結果、2個のクラスター錯覚が連結してCr_<12>核を形成するクラスターであることが判明した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] J.mizutani: "Synthesis and Structure of a Pyridine Complex of Trinuclear Molybdenum Cluster〔Mo_3S_4Cl_4(py)_5〕" Chem.Lett.2117-2118 (1994)

  • [文献書誌] J.mizutani: "Synthesis and Structure of a Seven Electron Triangular Cluster Complex〔Mo_3S_4Cl_3(dppe)_2(PEt_3)〕" J.Clusten Sci.6(in prees). (1995)

  • [文献書誌] M.Inokuchi: "Electrical and Optical Properties of α-(BETS)_2I_3 and α-(BEDT-STF)_2I_3" Bull.Chem.Soc.Jpn.68. 547-553 (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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