1.多孔性ヘテロポリ酸塩を構成するイオン種とイオン量がその物性(酸的性質・熱安定性・結晶形態・比表面積・細孔構造)と酸触媒機能に及ぼす影響を検討した。ヘテロポリ酸アルカリ金属塩の中では、多孔性構造をもつCs_<2.5>H_<0.5>PW_<12>O_<40>とRb_<2.5>H_<0.5>PW_<12>O_<40>が液相Friedel-Crafts反応に高い触媒活性を示し、反応媒体の極性が大きい反応にも安定に機能する。 2.ヘテロポリ酸アンモニウム塩の熱処理における特徴的な挙動を利用し、アルカリ金属塩に匹敵する高性能な固定酸触媒を得た。 3.不溶性で比表面積の大きいタングストリン酸のセシウム塩をオルトケイ酸エチルを用いるゾルゲル法によってシリカのマトリックス中に固体化する際の固定条件の最適化を行った。 4.遊離のタングストリン酸のシリカ固定化における固定条件の最適化を行った。 5.シリカ固定化の効率に及ぼす因子、シリカ含量、水とオルトケイ酸エチルの比、水の濃度、エタノール濃度の影響を詳細に検討した。 6.シリカ固定化タングストリン酸が均一水溶液中よりも高い酸触媒機能を示すことを見出し、その形態について考察した。 7.安息香酸エチルの加水分解を100℃で行い、シリカ固定化ヘテロポリ酸がイオン交換樹脂よりも活性が高く、熱安定性も優れていることを見出した。
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