研究課題/領域番号 |
06403019
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小林 猛 名古屋大学, 工学部, 教授 (10043324)
|
研究分担者 |
魚住 信之 名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 助教授 (40223515)
本多 裕之 名古屋大学, 工学部, 助教授 (70209328)
|
キーワード | 人工種子 / 再分化 / 毛状根 / 不定胚 / 機械的切断 / 二次代謝産物 / 保存 / 培養工学 |
研究概要 |
不定胚を経由する再分化小植物体の効率的な生産方式の確立と内封物の選別方法の自動化、不定胚以外の内封物として毛状根由来の不定芽を利用することについて重点的に研究した。 未分化細胞から培養環境を調整して同調性の高い不定胚を効率よく生産することが困難な植物が多いが、未分化細胞をアルギン酸で固定化し、アルギン酸から培地中に漏れ出てくる細胞が大部分不定胚となっていることを見いだした。この方法はスケールアップが比較的簡単であり、かつ効率よく同調性の高い不定胚を生産することができる点で画期的な培養法である。また、イネカルスの増殖段階において、溶存酸素濃度の制御及び酸素供給法の改良によって小植物体を作る能力の高いイネカルスの培養に成功した。 内封物の選別方法の自動化については、ファジィニューラルネットワークなどの知識工学的手法を応用すつことによって不定胚の成長段階の客観的評価を可能にし、コンピューターを組み込んだロボットシステムによって人工種子に適した不定胚・不定芽を自動選抜しうることを示した。 毛状根経由の効率的な人工種子作成系の構築については、毛状根を揺動撹拌型バイオリアクターで人工種子として適した形で培養できる事を明らかにした。このようにして培養した毛状根を、大量処理に適したブレンダーを用いた機械的切断処理を行い、さらに植物ホルモンの種類と濃度を最適な状態にすることによって、毛状根経由の小植物体の大量調整に成功した。さらに、有用な二次代謝産物を含有し、人工種子の内封物として適当な形状と性質を持ったアジュガ毛状根にレポーター遺伝子としてGUS遺伝子を導入し、この遺伝子組換え毛状根経由の人工種子の大量調整に成功した。
|