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1995 年度 実績報告書

水素結合ネットワークを有する多孔質分子結晶の開発と機能性有機材料への応用

研究課題

研究課題/領域番号 06403022
研究機関九州大学

研究代表者

青山 安宏  九州大学, 有機化学基礎研究センター, 教授 (00038093)

研究分担者 小林 健二  筑波大学, 化学系, 講師 (40225503)
キーワードゼオライト / 有機ゼオライト / 多孔質有機結晶 / 結晶工学 / 芳香環カラム / 水素結合 / ネットワーク / 分子シート
研究概要

分子内に直交因子を有するアントラセンのビスレゾルシン誘導体(ホスト)は2次元(シート状)の水素結合ネットワークを形成し、生じた大きな空孔には種々のゲスト分子がとりこまれる。本研究では相互作用部位やその形態、スペーサーとしてのアントラセンの修飾、相互作用の次元性の制御などを検討し、以下の成果を得た。
1.生じた空孔には種々のゲストが様々な状態からとりこまれるのみならず、触媒的な化学反応をうけることが明らかになった。触媒的“有機ゼオライト"の世界最初の例である。
2.相互作用部位を変かさせることにより、アントラセンカラムにおける芳香環の面間距離が制御可能であることが判明した。
3.相互作用の次元性(2次元ネットワーク、1次元ネットワーク)が機能上の大きな変化をもたらすことが分かった。第一はアントラセン環の光化学的物性である。2次元ネットワークにおいてはアントラセン環12-13A離れているため単量体(monomer)蛍光のみが認められる。これに対し、1次元ネットワークではアントラセン環が対面積層しているため、エキシマー蛍光のみを発する。ネットワークの次元性により、発光挙動が制御できることを示している。第二点は空孔サイズの制御である。2次元系での大きな空孔には、例えば安息香酸アルキルのとりこみにおいて、大きなアルキル基が優先的にとりこまれる(例えばイソブチル/メチル=70/1)。1次元系での小さな空孔には、逆に、小さなアルキル基が選択的にとりこまれる(メチル/イソブチル=1/30)。ゼオライトでみられる空孔サイズのコントロールが“有機ゼオライト"においても可能であることを示している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Yasuhiro Aoyama: "Guest Binding Molecular Recognition, and Molecular Alignment Properties of a Bisresorcinol Derivative" Supramol. Chem.4. 229-241 (1995)

  • [文献書誌] Yasuhiro Aoyama: "The Solid-State Host-Guest Complexation of a Bisresorcinol Derivative of Anthracene." Tetrahedron. 51. 343-352 (1995)

  • [文献書誌] Ken Endo: "Guest-Binding Properties of Organic Crystals Having an Extensive Hydrogen-Bonded Network." J. Am. Chem. Soc.117. 8341-8352 (1995)

  • [文献書誌] Yasuhiro Aoyama: "Crystal Engineering of Stacked Aromatic Columns." J. Am. Chem. Soc.118(印刷中). (1996)

  • [文献書誌] Yasaki Kikuchi: "CH-Pi Interaotion As an Important Driving Force of Host-Guest Complexation." Bull. Chem. Soc. Jpn.69. 217-220 (1996)

  • [文献書誌] Yasuaki Kikuchi: "Interaction of Achiral Host and Guest in a Chiral Solvent As Studied by Circular Dichroism Spectroscopy." Supramol. Chem.5(印刷中). (1996)

  • [文献書誌] 青山安宏: "超分子化学への道" 学会出版センター(印刷中),

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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