研究概要 |
RA系化合物の全合成および化学修飾:RA系化合物は,2環性の化合物であるが,エーテル結合をゆうする14員環の方は,ジフェニルエーテル結合があり,その合成は非常に難しい.すでに,全合成は達成しているが,その後,各種誘導体の作成により,RA-VIIと同等の活性を有する化合物も見い出された.今回は,基本骨格以外の側鎖部分について,各種誘導体を作成し,構造活性相関的検討を行ない有望な化合物を見い出している.さらに,Lawesson試薬を用いてアミド結合部分の酸素OをイオウSで置換し各種の誘導体を作成した.これら化合物の活性は平均して元の環状ペプチドより活性が強いことを認めた.なお,RA-VIIは臨床の第I相試験を終了している. 他の植物における抗腫瘍活性ペプチドの探索:茜草根以外の植物からも,環状ペプチドの検索を続けており,すでにシオン,太子参,銀柴胡などについては昨年度において報告し,さらに継続しているものもある.その後,王不留行Vaccaria segetalis,クコLycium chinenseなどからも,環状オリゴペプチドを単離して構造決定をしている.さらに,活性をコンホメーションとの関連も追及すべく,環状ペプチド類については,X線結晶解析,NMRおよび分子動力学法などの手法を用いてコンホメーション解析を行なっている.
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