研究課題/領域番号 |
06403031
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
秋元 肇 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50101043)
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研究分担者 |
廣川 淳 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (20262115)
梶井 克純 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (40211156)
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キーワード | 対流圏化学 / 大気光化学反応理論 / OHラジカル / レーザー誘起蛍光法 / 長光路レーザー吸収法 |
研究概要 |
昨年度に引き続きレーザー誘起蛍光法に基づく対流圏OHラジカル測定装置の製作、特にキャリブレーションシステムの構築を行った。 (1) 低圧下キャリブレーションシステム 減圧下における濃度既知のOHラジカル源としてH_2/Heの放電で生成した水素原子のNO_2による滴定反応H+NO_2→OH+NOを利用し、OHラジカル測定装置の調整および絶対濃度の校正を行った。この反応によって生成したOHの濃度範囲は10^9-10^<11>raclical/cm^3であり、製作された測定系がこの濃度範囲で直線性を持つことを確認した。 (2) 大気圧下のキャリブレーション 大気圧下での校正にはH_2O/N_2の低圧水銀灯(184nm)による光分解でOHを生成し、その絶対温度をレーザー長光路吸収法で測定すると同時にOHラジカル測定装置を稼働し、その絶対校正を行うシステムを採用することとし、このためのシステムを設計・製作した。長光路セルとしては光学的ベース長1m、100パス、全光路長200mのものを設計・製作した。また吸収測定用のレーザーとしてはYAGレーザー励起の色素レーザーを用い、信号はボックスカ-積分器を用いて処理するシステムとした。設計によれば本装置によって10^8raclical/cm^3オーダーのOHラジカルを大気圧下で生成し、レーザー長光路吸収を測定すると同時に、実際の野外測定の場合と同じ条件でピンホールを通じてOHラジカルを蛍光セルに導入し、測定系の絶対校正を行うことができる。本年度はそのための準備と装置のセットアップを行った。
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