研究概要 |
1.分裂シグナル伝達 (1)rhoタンパク質:ヒトrhoAのcDNAをプローブとして分裂酵母のrho遺伝子のクローニングを行い4種のrho cDNAを得、これらをrho1,rho2,rho3,rho4と命名した。このうちrho1はrhoA、出芽酵母RHO1と、rho2はRHO2と、rho3はRHO3と高いホモロジーを示した。 (2)タンパク質リン酸化:ウニ卵に^<32>P-正リン酸をとりこませ、in vivoでリン酸化されるタンパク質を検索したところ、多くのタンパク質がリン酸化された。またこのようにラベルした卵を発生させ、分裂溝を単離して解析することにより複数の分裂溝特異的リン酸化タンパク質を同定した。 (3)ミオシン軽鎖リン酸化:in vivoで^<32>Pラベルした卵から免疫沈降したミオシン軽鎖、あるいはラベル卵をトリクロロ酢酸固定してから2次元電気泳動で分離したミオシン軽鎖は分裂時期にかかわらずミオシン軽鎖キナーゼによりリン酸化される部位がリン酸化されていることが分かった。 2.収縮環の構造とその形成 (1)分裂溝特異タンパク質:単離分裂溝に局在する2つのタンパク質を2次元電気泳動、マイクロシークエンシングと免疫ブロッティングにより調べた結果、EF1αとEF1βであることが判明した。 (2)微細構造:分裂溝構成タンパク質を免疫電顕法により微細構造上でそれらの存在状態を固定するために、ウニ卵と分裂酵母の分裂溝に局在する可能性のあるタンパク質の抗体を調製中(ウサギ)である。またアクチンとの2重染色を行なう必要があるため、アクチン抗体を免疫動物を変えて(モルモット)作成している。 (3)アクチン調節タンパク質:ウニ卵からF-アクチンアフィニティーカラムクロマトグラフィーを用いて新しいアクチン調節タンパク質を検索中であり、複数の新しいタンパク質が見いだされつつある。
|