研究課題/領域番号 |
06404006
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
星川 清親 東北大学, 農学部, 教授 (60011871)
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研究分担者 |
岩渕 せつ子 東北大学, 農学部, 助手 (50089794)
須山 享三 東北大学, 農学部, 助教授 (70005635)
大久保 一良 東北大学, 農学部, 教授 (00005612)
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キーワード | マメ科植物 / 大豆 / 活性酸素 / フリーラジカル / DDMPサポニン / SOD活性 / フラボン / カテキン |
研究概要 |
栽培大豆、野生大豆およびマメ科植物を試料にし、HPLC等によりDDMPサポニンの分布を調べた。ハナマメとフジマメの胚軸部位およびアピオスの根茎からHPLC等により既知および新規DDMPサポニンを単離し、MS,NMR等の機器分析でその構造を解析した。キサンチン・キサンチンオキシダーゼ法およびESRトラッピング法でDDMPサポニンのSOD様活性を調べた。活性酸素種(HO・、O_2、H_2O_2およびLOOH)-アルデヒド系における微弱発光検出法により、標準物質(没食子酸、フラボン類、アントシアン類およびカテキン類)の微弱発光解析を行い、マメ科植物、大豆発芽体および大豆発酵食品からのラジカル消去物質の単離を試みた。 大豆の主DDMPサポニンであるsoyasaponin βg はマメ科植物に広く分布し、小豆等の胚軸部位における未確認DDMPサポニンの存在を明らかにすることができた。ハナマメとフジマメの胚軸部位からそれぞれ新規DDMPサポニンを単離して構造を決め、soyasaponin αa、lablab saponin Iと命名した。アピオスの根茎からDDMPサポニンを単離して、機器分析でsoyasaponin βgであることを確認し、その存在部位が発芽部位と維管束であることを明らかにした。DDMPサポニンにグルタチオンに匹敵するSOD様活性がみられ、特にlablab saponin Iの活性が顕著であった。天然ラジカルスカベンジャー標準物質(没食子酸、フラボン酸、アントシアン類およびカテキン類)を用い、活性酸素種(HO・、O_2、H_2O_2およびLOOH)-アルデヒド系における微弱発光解析を行った結果、本微弱発光法はラジカルスカベンジャーの検出法として有効な簡便法であり、これまで未知の世界である水溶液のラジカル反応を追跡することが可能となった。すなわち、X(活性酸素種)Y(ラジカル励起種)Z(ラジカル受容種)を想定することができ、没食子酸は典型的なYであり、DDMPサポニンはZであることがわかった。
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