研究課題/領域番号 |
06404009
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
尾崎 武司 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (00081555)
|
研究分担者 |
古川 一 大阪府立大学, 農学部, 助手 (40240957)
森川 利信 大阪府立大学, 農学部, 講師 (90145821)
大木 理 大阪府立大学, 農学部, 講師 (00128761)
森 源治郎 大阪府立大学, 農学部, 講師 (20081515)
山口 俊彦 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (30081558)
|
キーワード | N_2レーザーマイクロビーム / 直接遺伝子導入 / 植物細胞 / PBI121 / CMV‐RNA / Cucumis figarei / Avena macrostachya / ウイルス抵抗性 |
研究概要 |
N_2レーザーマイクロビーム(波長337.1nm.パルス幅3ns)を各パルスエネルギーでタバコ葉およびメロン培養細胞へ照射したところ1.5〜6μJ/spotのエネルギーレベルで、細胞を死滅させることなく、細胞壁および細胞膜への0.5μm前後の穿孔が可能であった。供与DNAとしてpBI121(GUS.NPTII)を用い、0.3Mの浸透圧下でレーザー法によるホウセンカ(Impatiens balsamina L.,I.walleriana Hook.)とシロバナヒガンバナ(Lycorisalbiflora Koidzumi)花粉への直接遺伝子導入を試みたところ、3μJ/spotのエネルギーレベルで照射した時に、一過的なGUS遺伝子の発現率は最高24%に達した。また、タバコ葉へのキユウリモザイクウイルス(CMV)遺伝子(CMV‐RNA)の導入実験では、導入24時間後には表皮細胞とその周辺細胞でCMVの増殖が確かめられた。これらの結果より、N_2レーザーマイクロビームは植物細胞への効率的な遺伝子導入に適していると考えられた。野生種の有する有用形質の植物保護分野への利用に関しては、Cucumis figareiからの抗ウイルス活性物質(Figarenと仮称)の精製に成功し、分子量23.000の糖たんぱく質であることを明らかにした。現在クローニングを目的としてアミノ酸分析を行っている。C.figareiを形質転換するための前実験として、プロトプラストからの固体再生を試み、現在不定芽形成まで認めている。また、C.figareiの遺伝子分析法を検討したところ、DIGラベルしたRAPD法により多数のDNA断片の検出が可能であることが明らかになった。エンバクの6倍性栽培種に耐病性遺伝子を導入するために、4倍性野生種(Avena macroschyata)を交配して得た5倍性雑種の組織培養と再生を行った。その際培養特性と再生個体のアイソザイムや染色体数を調べ、レーザービームや培養過程で生じる染色体変異を利用した遺伝子移入の可能性を検討している。
|