研究課題/領域番号 |
06404011
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研究種目 |
一般研究(A)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
水谷 純也 北海道大学, 農学部, 教授 (50014923)
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研究分担者 |
川端 潤 北海道大学, 農学部, 助教授 (60142197)
田原 哲士 北海道大学, 農学部, 助教授 (50001475)
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キーワード | 生態化学的機能物質 / 化学生態学 / 植物二次代謝産物 / 生理活性物質 / 防御物質 / 抗菌性物質 / 機器分析 / 核磁気共鳴法 |
研究概要 |
[1] キク科植物ブタナおよびセイヨウタンポポの防御物質として機能していると予想される誘導的抗菌物質を追究した。両植物ともガイアン型セスキテルペノイドやその他の関連物質を、紫外線や重金属イオンによるストレスに応答して生成すること、特にタンポポでは、野外に生育する個体の葉の壊死斑の周辺に同種の抗菌物質(レタセニンA)が生成して、感染が食い止められている事実を物質レベルで確認した。マメ科植物の代表的二次代謝産物で多様な生理作用を有するプレニル化イソフラボノイドの構造と生理的機能に関する最新の研究を概観、要約し我々の研究の位置付けと、今後の研究課題について解析し、総説として取りまとめた。 [2] 軸不斉を有するカルボン酸を用いて二級アルコールの絶対配置をNMR法で決定する新しい方法を開発し、アレロパシー物質を生成するオオハンゴンソウ由来の新規テルペノイドで、その有用性を実証した。本法は既存のNMR法では解析が困難とされていた高度にひずみを有する二級アルコールや三級アルコールの立体化学解析への道を拓いた。 [3] これ迄、感度の制約からほとんど天然物の構造解析には用いられていなかった異核種NOEについて、複数点同時励起法と組合わせることにより実用化を行なった。DEPT-relay法の二次元化を行ない、ベースライン補正法と組合わせることによって、一量子遷移由来のノイズを消去し、これ迄の手法より感度よく炭素骨格を直接検出する手法を考案し、テルペノイドに応用して、その有用性を確認した。 [2]、[3]の手法は、天然微量生理活性物質の精密な構造解析を行ない、その機能特性を探ろうという本研究の、今後の展開に極めて有効な方法を提供するものである。
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