研究概要 |
本年度は最終年度に当たる.前年度間での成果を基に,研究のさらなる展開と成果の位置付けを意識しながら,研究を進めた.本年度の成果は,学会誌等に印刷されたもの10報,印刷中3報,投稿中2報(合計15報)著書(分担執筆)1,口頭発表25件として公にされてきた.植物二次代謝産物の動態や生態化学的機能の解析を中心課題とする本研究の範囲は極めて多岐に渡るものであるが,本年度の研究成果は以下のように要約される. 1)機能性分子の精密構造解析に関する研究(論文1,口頭発表7件) 2)植物成分の酵素阻害作用に関する研究(論文3,口頭発表5件) 3)植物色素の分析や機能に関する研究(論文4,口頭発表1件) 4)植物と微生物の相互関係の生物有機化学的研究(論文4,口頭発表6件) 5)食品機能性分子の構造や作用様式に関する研究(口頭発表4件) 6)その他,植物化学等関連研究(論文3,著書1,口頭発表3件) これまでの成果を通して,研究成果にまとまりがついてくると同時に研究に方向性が見られるようになった.即ち,生態系における,植物を中心にした独立栄養生物と従属栄養生物の動的平衡状態の維持機構を追究すること,従属栄養生物としての人間とその他の動物の食べ物の成分や,植物の防御物質との相互関係を化合物レベルで解明することに収斂してきたといえる. 三年間に渡る研究成果と,研究課程で明らかになってきた問題点,総説などとして関連研究を取りまとめることによって新たになってきた研究ターゲットなどについては,成果報告書にまとめられている.
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