研究課題/領域番号 |
06404013
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐野 嘉拓 北海道大学, 農学部, 教授 (10001463)
|
研究分担者 |
小島 康夫 北海道大学, 農学部, 講師 (90161918)
浦木 康光 北海道大学, 農学部, 助教授 (90193961)
佐野 雄三 北海道大学, 農学部, 助手 (90226043)
船田 良 北海道大学, 農学部, 助教授 (20192734)
大谷 諄 北海道大学, 農学部, 教授 (30001465)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1995
|
キーワード | セルロース・ミクロフィブリル / 表層微小管 / 共焦点レーザ顕微鏡 / FE・SEM / 細胞壁 / マトリックス |
研究概要 |
樹木の仮道管や木繊維などには二次壁が形成されるが、細胞壁を構成するセルロース・ミクロフィブリル(MF)の配向変化を立体表現化するには、MFの堆積過程を直接観察により順次追跡する必要がある。そこで、電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)によるMFの観察法を確立し、樹木細胞壁における配向変化を観察した。二次壁形成中のMF配向は、二次壁外層から中層まで、内こう側からみて時計回り方向に連続的に変化した。その後、連続的な配向変化は停止し、同じ配向をもつMFが堆積し続け、厚い二次壁中層を形成した。その後、MFの配向は内こう側からみて反時計回り方向に変化し、二次壁内層を堆積した後、MFの堆積は終了した。その結果、二次壁外層では緩傾斜のSへリックスのMFが、二次壁中層では急傾斜のZへリックスのMFが、二次壁内層では緩傾斜のSへリックスのMFが各々堆積し、各層の間の移行層ではらせん構造をもつMFが堆積した。これらの結果を基に、仮道管や木線維における二次壁細胞壁のMF配向をモデル化した。 細胞骨格の一種である表層微小管の配向変化を、分化中仮道管において連続的に追跡した。そこで、研究設備として共焦点レーザ走査顕微鏡を導入し、その操作法を確立した。分化中仮道管において、表層微小管は連続的な配向変化を示し、この配向変化のパターンは、上に述べたMFの配向変化とよく一致しており、表層微小管がMFの配向を制御することを強く示唆した。また、道管、木繊維、放射組織中の表層微小管の立体配置像も三次元構築ユニットを用いて構築し、表層微小管が細胞内においてらせん状に存在することを明らかにした。 以上の研究成果を基に、樹木細胞壁の構築過程を三次元的に表現化した。
|