研究課題/領域番号 |
06404014
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産化学
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研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
渡邉 武 東京水産大学, 水産学部, 教授 (60017051)
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研究分担者 |
舞田 正志 東京水産大学, 水産学部, 助手 (60238839)
岡田 茂 東京大学, 農学部, 助手 (00224014)
佐藤 秀一 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (80154053)
竹内 俊郎 東京水産大学, 水産学部, 教授 (70092591)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | ブリ / 親魚飼料 / ソフトドライペレット / オキアミミール / カロテノイド / アスタキサンチン / Astaxanthin |
研究概要 |
本研究は、ブリの生殖腺成熟と産卵に関して栄養学的観点から検討を加え、親魚に適した飼料の栄養組成を明らかにし、良質卵の獲得を可能にするソフトドライペレット(SDP)の開発を目的とした。また飼料中のカロテノイド、特にアスタキサンチンの卵における代謝を調べ、卵のカロテノイド含量および組成と卵質との関連を検討した。 その結果、筆者らの開発したSDPはブリ親魚に対して従来の生餌やモイストペレット(MP)以上の性能を有することが明らかとなった。SDPによる稚魚からの親魚養成および天然魚からの養成も可能であることが実用規模の種苗生産において実証された。また、これらの試験を通じて飼料中のカロテノイドが卵に移行し、その含量と組成が卵質の良否に関与することが示唆された。さらに卵中のルテインおよびゼアキサンチンは孵化後直ちにツナキサンチンに変換されることが明らかとなった。ブリ種苗生産における永年の夢であった稚魚から親魚まで栄養価の高い配合飼料による一貫飼育が可能となったわけで、疾病による産卵阻害や卵質低下が軽減され、仔稚魚の健苗性が向上するものと期待される。また、今回のブリ親魚用SDPの開発成果により種苗の量産化が可能となれば、養殖には飼育管理された人工種苗が利用できるため病気の発生が減少し、一方では天然種苗の増加により沿岸漁業資源の増大が期待でき社会的意義も極めて大きいものと考えられる。ブリ用SDPは当然シマアジなどの他の親魚養成にも利用できその波及効果は大きく、近い将来親魚はすべてDPによって養成されることが予想される。今後さらに産卵成績の向上を図るための詳細な栄養学的研究が必要であろう。
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