研究課題/領域番号 |
06404017
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研究種目 |
一般研究(A)
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
岡田 泰伸 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (10025661)
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研究分担者 |
富永 真琴 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (90260041)
挟間 章博 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (60218394)
樫原 康博 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (00161018)
老木 成稔 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (10185176)
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キーワード | 容積感受性C1^-チャネル / パッチ・クランプ / ダブル・パッチ・クランプ / ATP / 細胞容積調節 |
研究概要 |
多くの細胞は自らの容積を常に一定に保つメカニズムを持ち、細胞内外の浸透圧環境の変化によって一時的に膨張や収縮を強いられても元の容積へと復帰する能力を持つ。この細胞容積調節に関与する小腸上皮細胞の容積感受性C1^-チャネルの活性化のメカニズムを分子細胞生理学的立場から総合的に解明することが本研究の最終目標である。本年度は、培養小腸上皮細胞の容積感受性C1^-チャネルのシングルチャネル特性の詳細をあきらかにすることを目的にして、パッチクランプ研究を行った。 私達はこれまでのwhole-cell clamp実験によって、小腸上皮細胞の容積感受性C1^-チャネルは大きな陽電圧コマンドによって急速に不活性化を示すという特徴的電位依存性を示すことを明らかにしている。そこでまず第一に、このような特徴をもったC1^-チャネルのシングルチャネル活性が浸透圧性膨張をしめした細胞の上ではcell-attachedモードで記録可能であるかどうかを確認するために、whole-cell実験とcell-attached実験を同時に行ういわゆるdouble patch-clampを行った。その結果、事実whole-cell C1^-電流の不活性化と同じ時間経過で次第に閉じていく単一C1^-チャネル活動を同定することができた。その不活性化のスピードはwhole-cell電流と同様に印可陽電圧が大きければ大きいほど速いことが明らかとなった。そこで第二には、inside-outモードでの単一C1^-チャネル活動記録を試みたところ、パッチ膜を細胞からexciseするとそれは短時間のうちに消失することが観察された。そこで、細胞内側の液に3mM Mg存在下で1mM ATPを加えたところ、この単一チャネル活性はinside-out後も長時間維持しうることを見いだした。このチャネルの単一チャネル・コンダクタンスは、+60mVのときは32pS、+100mVのときは37pS、+140mVでは47pSであり、弱い外向き整流性を示すことが明らかになった。
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