研究課題/領域番号 |
06404019
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
日高 弘義 名古屋大学, 医学部, 教授 (80100171)
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研究分担者 |
渡辺 泰男 名古屋大学, 医学部, 助手 (10273228)
仁木 一郎 名古屋大学, 医学部, 講師 (10262908)
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キーワード | カルシウムシグナリング / カルモデュリン / カルモデュリン依存性キナーゼ / プロテインキナーゼカスケード |
研究概要 |
カルモデュリンキナーゼカスケードの統合的な解析を目指した本年度の研究においては、次のような知見が得られた。まず、我々が発見したカルモデュリンキナーゼV(CaMKV)のcDNAクローニングはその大部分が終了し、その結果CaMKVは、既報のCaMKIと一次構造上高い相同性が見られ、CaMKIサブファミリーのメンバーであることが明らかにされた。CaMKVをリン酸化するCaMKVKはその構造決定までには至っていないが、米国の研究室で報告された別のカルモデュリンキナーゼキナーゼとその性質において類似しており、我々の提唱してきたカルモデュリンキナーゼカスケードの存在が強く示唆されている。これまでカルモデュリン依存性であると考えられてきた生体機能においてこのキナーゼカスケードの果たす役割が、これから解明すべきポイントである。現在CaMKVおよびCaMKVKの抗体を作製中であり、キナーゼカスケードの証明において重要な証拠となる組織内・細胞内における分布を検討する実験への応用が期待される。また、我々の手で新たに作製したカルモデュリン阻害剤がいくつかのカルモデュリンキナーゼに対して異なる阻害効果を持つことも明らかにされ、これらの合成分子とキナーゼの結合様式の解析が今後の課題となっている。
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