研究課題/領域番号 |
06404019
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
日高 弘義 名古屋大学, 医学部, 教授 (80100171)
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研究分担者 |
横倉 久幸 名古屋大学, 医学部, 助手 (90273242)
渡辺 泰男 名古屋大学, 医学部, 助手 (10273228)
仁木 一郎 名古屋大学, 医学部, 助教授 (10262908)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | カルシウムシグナリング / カルモデュリン / カルモデュリンキナーゼ / プロテインキナーゼカスケード |
研究概要 |
細胞内情報伝達機構において、蛋白質リン酸化反応のカスケードが重要な役割を担っていることが明らかにされつつある。本研究は蛋白化学的、分子生物学的、分子薬理学的なアプローチにより細胞内情報伝達機構における統括的なカルモデュリンキナーゼカスケード理論の確立をめざしたものである。先ず蛋白化学的手法によってラット大脳より発見、精製した新しいカルモデュリン依存性蛋白質リン酸化酵素、カルモデュリンキナーゼV(CaMKV)の酵素学的、生化学的性格を検討した。生理的機能検索のためCaMKVの特異的抗体を作製し、CaMKVの組織分布を免疫組織化学的手法により分析した。次に既知のカルモデュリンキナーゼの活性化メカニズムと大きく異なるCaMKVの活性化因子の存在を発見し、その因子によるCaMKVの活性化メカニズムの検討を行った。更にCaMKVと既知のカルモデュリンキナーゼIV(CaMKIV)との間に相互リン酸化を見いだし、カルシウムイオンをセカンドメッセンジャーとする細胞内情報伝達においてカルモデュリンキナーゼ群のカスケードが統合的に働いていることを示唆した。分子薬理学的アプローチとして我々は特異阻害剤の開発、創製を通してCaM kinaseの数々の生理機能探索を行ってきたが、本研究では新たなカルモデュリン依存性酵素の阻害剤の開発、創製に成功し様々な系に適用することにより特定の酵素の未知の生理機能解明を行った。特に心、脈管機能調節機構の解明を分子レベルで明らかにすることに成功した。次に分子生物学的手法によりMaMKVは既知のカルモデュリンキナーゼIα(CaMKIα)のサブファミリーのメンバーであることを明らかにし、さらにcDNAクローニングにより合計2つのアイソフォーム(CaMKI β, CaMKIγ)のクローンの単離に成功した。現在、これらのアイソフォームの活性化メカニズムを既知のカルモデュリンキナーゼのそれと比較、検討しているところである。
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