研究課題/領域番号 |
06404021
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高井 義美 大阪大学, 医学部, 教授 (60093514)
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研究分担者 |
白瀧 博孟 大阪大学, 医学部, 助手 (90249962)
佐々木 卓也 大阪大学, 医学部, 助手 (40241278)
田中 一馬 大阪大学, 医学部, 助教授 (60188290)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | 低分子量G蛋白質 / アクチン細胞骨格 / 神経伝達物質 / BNI1 / BNR1 / プロフィリン / PKC1 / Rabphilin-3A / Doc2 |
研究概要 |
本研究では、低分子量G蛋白質のうち、Ras、RhO、およびRab3Aに焦点をあてて、これらの低分子量G蛋白質の機能、活性化機構および作用機構について検討した。RasはMAPキナーゼ系を介して種々の遺伝子発現を制御していることが明らかとなっていたが、私共は、本研究で、世界に先駆けて開発した無細胞系でRasによりMAPキナーゼを活性化するアッセイ系を用いてRasの標的蛋白質を精製し、それがB-Rafと14-3-3蛋白質の複合体であることを明らかにした。さらに、RasファミリーのRaplもまたB-Rafを活性化することを明らかにし、Rap1がRasの機能に対して促進的に作用する機構が存在することを明らかにした。一方、私共を含めたいくつかのグループによって、Rhoがアクチン系を介して種々の細胞機能を制御していることが明らかにされていたが、私共は、本研究で、Rhoは、アクチン細胞骨格系と細胞膜との結合を制御するERM-CD44系を介してアクチン細胞骨格系の再編成を制御していることを明らかにした。さらに、このERMが、Rho-RhoGDI複合体に直接作用し、RhoをRhoGDIから解離させて活性化反応を開始させる作用も有していることを明らかにした。また、酵母の遺伝学的手法を用いて、Rhoの標的蛋白質がPKC1、グルカン合成酵素、BNI1およびBNR1であることを明らかにした。このうち、BNI1とBNR1がアクチン結合蛋白質でるプロフィリンに直接結合することを明らかにし、RhoがBNI1とBNR1を介してアクチン細胞骨格系に作用する可能性を示した。他方、Rab3Aは神経伝達物質の放出を制御しており、私共は、Rab3Aの標的蛋白質としてRabphilin3Aを見い出している。私共は、本研究で、Rabphilin-3A同様C2様ドメインを2個有する蛋白質としてDoc2を見い出すと共に、Rabphilin-3AとDoc2が実際に神経伝達物質の放出に働いていることを証明した。また、私共は世界に先駆けてRab3AのGAPおよびGEPを精製すると共に、そのcDNAをクローニングして一次構造を決定した。以上の結果を得たことにより、本研究の研究計画はほぼ達成できたと考えている。
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