研究課題/領域番号 |
06404026
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研究種目 |
一般研究(A)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
斎藤 和雄 北海道大学, 医学部, 教授 (80000917)
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研究分担者 |
高倉 昌之 北海道大学, 医学部, 助手 (90241314)
齋藤 健 北海道大学, 医学部, 講師 (40153811)
神山 昭男 北海道大学, 医学部, 助教授 (90215202)
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キーワード | 老化 / 微量元素 / 高次神経活動 / 画像解析 / 神経回路網 / 神経伝達物質 |
研究概要 |
平成6年度は、主として微量および超微量元素濃度の加齢による変動を、1)人およびラット脳組織、2)血液について検討した。具体的には、1)幼児から60歳代までのヒトの脳内微量および超微量元素濃度の動態を分析し、(1)脳内スズ、カドミウム濃度が加齢に伴い増加すること、(2)脳内ルビジウム濃度が加齢に伴い低下すること、2)3週令から104週令(2年)までのラット脳をglowinskiらの方法に準じて8分割後、脳組織中の微量元素濃度を測定し、(1)全8部位で、ルビジウム濃度が人脳と同様に加齢に伴い低下すること、(2)延髄+橋をのぞく7部位で銅濃度が加齢に伴い増加すること、3)20代から80代までの人血液中微量元素濃度の動態では、血漿中ルビジウム濃度は、脳内と異なり年齢によらずほぼ一定の値を示すこと、などが明らかになった。また、得られた成績に基づき、光量差分計測システム(現有機器)とイメージアナライザー(購入備品)を用いて、老化元素の神経回路網における役割について検討を進めている。 このように、老化関連微量および超微量元素の動態が次第に明らかになったことから、次年度以降は若齢および老齢ラットを用いて、神経細胞、グリア細胞、神経シナプス(シナプトゾーム)および脳細胞外液中微量元素濃度の加齢による変動を検討するほか、老化促進モデルマウスを用いて、脳各部位の組織別、細胞別などの微量元素濃度の検討、微量元素および神経伝達関連酵素活性、神経伝達回路網における微量元素の役割の検討を行い、脳の老化機構における微量元素の役割を明らかにする。以上の実験より、脳内微量元素の加齢に伴う変動および脳の老化機構における役割を解明し、報告書として取りまとめる予定である。
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