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1995 年度 実績報告書

ヒトプリオン蛋白遺伝子による遺伝子置換マウスモデルの確立

研究課題

研究課題/領域番号 06404032
研究機関九州大学

研究代表者

立石 潤  九州大学, 医学部, 教授 (70033305)

研究分担者 中村 健司  九州大学, 生医研, 助手 (90253533)
北本 哲之  東北大学, 医学部, 教授 (20192560)
キーワードクロイツフェルト・ヤコブ病 / プリオン蛋白 / 遺伝子置換
研究概要

クロイツフェルト・ヤコブ病(以下CJDと略す)の病原因子としてプリオン仮説が提唱されている。プリオン蛋白遺伝子は、マウスとヒトでかなりhomologyが高いが、アミノ酸配列の少しの違いが感染性に強くかかわることは、我々の点変異を有するCJD患者の感染実験で明らかとなった。またヒトからマウスへの種間のバリヤ-を構成する1つの因子としてヒトとマウスのアミノ酸配列が考えられている。そこで我々はマウスのプリオン遺伝子をヒトのそれに置換することを本研究の目的とした。まず129SVマウスよりプリオン蛋白遺伝子をクローニングし、exon 3のopen reading frame(ORF)をヒト型におきかえ、exon 3の3′untranslate siteにloxpでかこんだneo遺伝子とgpt遺伝子を挿入し、negative selectionとしてDTA遺伝子をコンストラクトの3′側に加えた。ES細胞にこのコンストラクトを導入し、G418耐性の120クローン中1クローンでサザンブロットによりhomologous recombinationを確認した。このクローンから、キメラマウスを作製し、germ-line化したAgouti色のマウスのtailDNAの解析により50%の確立で導入したneo遺伝子の存在を確認した。現在はヘテロのマウスよりホモ化をはかっている。さらに加えて、導入したベクターの特徴としてloxpでneo遺伝子、gpt遺伝子をかこんでいるため、Cre recombinaseにてloxp間の遺伝子を欠失させることができる。このrecombinationをヘテロのマウスの受精卵にCreを導入し行ったところ、7匹のマウス中6匹でCreによるloxp間の欠失を確認した、この6匹はすでにヒト型プリオン蛋白遺伝子に完全に置換されており世界で初めて一回のhomologous recombinationにより遺伝子置換を導入することに成功した。来年度はさらに変異型プリオン蛋白の導入を試みる予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Tateishi, J.: "Inherited prion disease and transmission to rodents." Brain Pathol.5. 53-59 (1995)

  • [文献書誌] Nakagawa, Y.: "Allelic variation of apolipoprotein E in Japanese sporadic Creutzfeldt-Jakob disease patients." Neurosic. Lett.187. 209-211 (1995)

  • [文献書誌] Yamada, T.: "Apolipoprotein E mRNA in the brains of patients with Alzheimer′s disease." J. Neurol. Sci.129. 56-61 (1995)

  • [文献書誌] Nakagawa, Y.: "Apolipoprotein E in Creutzfeldt-Jakob disease." Lancet. 345. 68- (1995)

  • [文献書誌] Tateishi, J.: "First experimental transmission of fatal familial insomnia." Nature. 376. 434-435 (1995)

  • [文献書誌] Furukawa, H.: "New variant prion protein in a Japanese family with Gerstmann-Straussler syndrome." Mol. Brain Res.30. 385-388 (1995)

  • [文献書誌] Tateishi, J.: "Prion diseases." Microbiol. Immunol.39. 923-928 (1995)

  • [文献書誌] Oda, T.: "Prion disease with 144 base pair insertion in a Japanese family line." Acta Neuropathol.90. 80-86 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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