研究課題/領域番号 |
06404033
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
北畠 顕 北海道大学, 医学部, 教授 (00124769)
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研究分担者 |
及川 恒之 財団法人 佐々木研究所細胞遺伝部門, 部長 (80150241)
岡本 洋 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (50260394)
川口 秀明 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (70161297)
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キーワード | レニン / アンジオテンシン / 心筋肥大 / アンジオテンシン変換酵素 / 遺伝子 / transgenic mouse / パラクライン・オートクライン機構 |
研究概要 |
研究の背景と目的;近年、心筋肥大発生のメカニズムとしてα受容体刺激、アンジオテンシンII受容体刺激および伸展などによる機械的刺激が注目されている。これらは受容体を介して、イノシトールリン脂質(PI)-ホスホリパーゼC(PLC)系およびadenylyl cyclase系の細胞膜細胞膜情報伝達系によって細胞内に伝達される。心筋組織レニン・アンジオテンシン(RA)系はパラクライン・オートクライン機構によって心筋細胞の肥大や間質細胞の増殖を促進すると考えられるがその詳細は不明な点が少なくない。すなわち心筋組織内ではAIIはいわゆるアンジオテンシン変換抗酵素(ACE)によってアンジオテンシンIより作られる経路の他に、トニンやキマ-ゼによっても作られ、少なくても3経路からAIIが作られる。さらに圧負荷による心肥大は心臓外からの循環血中のAIIによって肥大が起こる可能性がある。臨床的にはACE阻害薬は心不全や心筋梗塞に効果を上げているが、ACEは実は一部のAII作用のみを阻害しているのにすぎない。今回われわれは心筋肥大発生機序および心筋障害増悪機序を解明するために、心筋組織RA系因子(レニン、アンキジオテンシノーゲン、アンジオテンシン変換酵素)を心筋特異的遺伝子プロモーターに結合させたgeneをマウス卵細胞にtransfectionし、transgenic mouce作成し心筋組織内RA系の発現様式を変化させる。このtransgenic mouceでは心筋組織内アンジオテンシノーゲン、レニン、アンギオテンシン変換酵素のmRNA発現が増強し、細胞膜細胞膜情報伝達系も亢進することが予測される。さらに心筋特異的に発現するために血圧上昇を伴わない。 本研究計画では心筋肥大および心筋障害の進展機序を解明するために、心筋組織RA系が重要な要因であるとの仮説の基にtransgenic mouceを作成し、圧負荷によらない心筋肥大および心筋障害が、心筋組織RA系発生亢進によって起こることを確認する。 [本年度の実績]本年度は心臓にRA系遺伝子を特異的に発現させるために、心臓に特異的なプロモーターをクローニングした。今後、このプロモーターにRA系遺伝子を接続しtransgenic mouseを作成する。
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