研究課題/領域番号 |
06404034
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研究種目 |
一般研究(A)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
竹下 彰 九州大学, 医学部, 教授 (30038814)
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研究分担者 |
小柳 左門 九州大学, 医学部, 助教授 (90128017)
江頭 健輔 九州大学, 医学部, 助手 (60260379)
上野 光 九州大学, 医学部, 講師 (50260378)
下川 宏明 九州大学, 医学部, 講師 (00235681)
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キーワード | 血管内皮細胞 / 内皮細胞由来一酸化窒素 / 心筋虚血 / 狭心症 / セロトニン |
研究概要 |
1.実験モデルの作成:実験動物(ブタ、ラット)に内皮細胞由来一酸化窒素(NO)の合成阻害薬を慢性経口投与することにより、微小血管病変(中膜肥厚)を発生させることができた。NO合成阻害薬の冠動脈内慢性投与でも同様の病変が発生した。この微小血管病変はhydralazineによって高血圧をコントロールしても防止できなかった。これらの成績は、NO合成阻害によって血管壁局所での増殖因子の発現が活性化されたことを示唆する(Hypertension投稿中)。 2.実験動物モデルにおける心筋虚血の誘発:1)本実験モデルではセロトニン冠動脈内投与により冠血流が著明に減少し、心電図ST上昇が生じた。対照動物ではこのような現象は認めなかった(J Clin Invest投稿中)。2)セロトニンによる冠血流減少は、セロトニン受容体、とくに5HT1受容体、を介して生じることを明らかにした(未発表)。3)セロトニンによる冠血流減少の成因に細胞内情報伝達系のprotein kinase Cが関与することを明らかしにした(第59回日本循環器学会総会で発表予定)。4)本実験モデルにおいてβ受容体刺激薬(dopamineなど)やパパベリン冠動脈内投与によって心筋虚血が誘発された(未発表)。 3.臨床研究:高コレステロール血症患者における冠動脈内皮細胞機能異常はコレステロール降下療法によって改善することを報告した(Circulation 1994)。微小血管狭心症患者における冠動脈の内皮細胞依存性拡張能の低下は、NO合成の基質であるL-アルギニンの前投与によって改善することを報告した(Ann NY Acad Science in press,Circulation accepted)。
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