研究課題/領域番号 |
06404037
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研究種目 |
一般研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中尾 一和 京都大学, 医学部, 教授 (00172263)
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研究分担者 |
伊藤 裕 原子力研究所, 医学部, 助手 (40252457)
吉政 孝明 京都大学, 医学部, 助手 (00252429)
田中 一成 京都大学, 医学部, 講師 (80179738)
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キーワード | プロスタサイクリン受容体 / プロスタグランデインE受容体 / マウスBNP遺伝子 / トランスジェニックマウス / エンドセリン |
研究概要 |
1.プロスタサイクリン受容体はヒトでは386個、ラットでは416個のアミノ酸から成り、共に膜7回貫通型のG蛋白共役型受容体で、ノザンブロット解析ではヒトの受容体mRNAは、循環系臓器、消化管等に分布していた。ラットでは、ヒトでは認められなかった胸腺に多量のmRNAが存在し、免疫系へのプロスタサイクリンの関与に種属差が存在することが明らかとなった。プロスタグランディンE2の受容体には少なくとも4種類のサブタイプが存在し、当初我々はEP2受容体をクローニングしたと考えていた。しかし、受容体発現細胞を用いた結合実験の結果、過去にほとんど報告がなく、その詳細が不明のEP4受容体のクローニングに成功したことが明らかとなている。ヒトとラットのEP4受容体はともに488個のアミノ酸より成り、従来のEP2受容体は、EP2受容体とEP4受容体の混在したものを捉えていたと想定された。 2.エンドセリンは、クモ膜下出血の患者の髄液中では正常に比較して上昇しており、術後は更に上昇することが明らかとなった。この結果は脳血管の攣縮にエンドリセンが関与していることを示唆するもん考えられた。 3.マウスのBNPのcDNAクローニングを行い遺伝子構造を決定した後に、BNP過剰発現トランスジェニックマウスの開発に成功した。マウスBNPは45アミノ酸より成るが、前駆体は121アミノ酸から構成されていた。またmRNAには選択的スプライシングにより生じる2種類が存在することが明らかとなった。トランスジェニックマウス肝臓においては心室の10倍に達するBNP mRNAを検出し、血漿中のBNP濃度は正常の100倍に達していた。一方、血漿中のcGMPは上昇しており、血圧は有為に、低下していた。
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