研究課題/領域番号 |
06404037
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中尾 一和 京都大学, 医学研究科, 教授 (00172263)
|
研究分担者 |
伊藤 裕 京都大学, 医学研究科, 助手 (40252457)
斎藤 能彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (30250260)
田中 一成 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80179738)
|
キーワード | CNP / ナトリウム利尿ペプチド受容体 / エンドセリンA受容体 / 選択的スプライシング / プロスタグランディンE受容体 / EP4 |
研究概要 |
ナトリウム利尿ペプチドに関しては、主に血管壁におけるCNPの合成、分泌調節とその作用を中心に研究を行った。血管内皮細胞と平滑筋細胞の共培養系においてCNP分泌は内皮細胞単独培養の60倍に増加し、CNPmRNAも同時に増加していることを見い出した。このCNPの合成と分泌の増加はTGF-βによることが証明され、増加したCNPにより平滑筋細胞の増殖が抑制されることも示された。またヒトの胃大網動脈、内胸動脈、伏在静脈におけるナトリウム利尿ペプチド受容体の発現を検討し、動脈ではA受容体が豊富であるのに対し、B受容体は動静脈で差がないことを報告した。動脈化した移植静脈における受容体の発現は静脈と変わらないことも観察した。 ヒトのエンドセリンA受容体の選択的スプライシングにより生じる2つの新しいmRNAを同定した。これらはそれぞれエクソン4およびエクソン3と4の欠失したmRNAでそれぞれ199、327bp短いmRNAを形成することが明らかとなった。これらのmRNAはヒトの組織に広く分布し、エンドセリンA受容体の発現調節に関与している可能性が示唆された。 ヒトのプロスタグランディンE受容体サブタイプのEP4のクローニングを行い、ヒトの単球系、T細胞系、B細胞系培養細胞にEP4遺伝子が発現していることを明らかにした。更にこれらの細胞にphorbol 12-myristate 13-acetate (PMA)を添加することにより、単球系とB細胞系ではEP4受容体mRNAと蛋白が増加するのに対し、T細胞系では逆に減少することを観察した。この反応はEP4に特異的であり、他のプロスタノイド受容体では観察されなかった。
|