研究課題/領域番号 |
06404040
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
内山 卓 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80151900)
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研究分担者 |
堀 利行 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (70243102)
服部 俊夫 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (30172935)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | ATL / HTLV-I / 造腫瘍性 / SCIDマウス / IL-2 / 細胞接着分子 / OX40 / gp34 |
研究概要 |
ALT細胞の増殖機構に関する研究を行い以下の成果を得た。1.SCIDマウスを用い、ALT患者新鮮白血病細胞、HTLV-I感染細胞株のin vivo増殖モデルを作製した。また、1例のATLより継代可能なモデルを樹立した。2.白血病細胞および由来細胞株は造腫瘍性を示すが、非白血病細胞由来HTLV-I感染細胞株、tax導入不死化T細胞は造腫瘍性を示さないことを明らかにした。3.ATL細胞のin vivo増殖には、HTLV-I発現が必要でないこと、および、古典的なIL-2オートクリンの機構は働いていないことを示した。4.アイソトープ標識抗Tac抗体を用いて、SCIDマウス体内でのATL細胞の臓器浸潤パターンを明らかにした。5.ATL細胞と臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)との細胞接着に関与すると思われた未知の接着経路を阻止可能な2種のモノクロナル抗体を作製し、その認識する抗原の性状を明らかにするとともに、発現クローニング法によりそのcDNAクローニングに成功した。 その結果、この抗原はTNF受容体ファミリーに属するOX40であることが判明した。さらに、OX40とそのリガンドであるgp34cDNAの安定発現細胞を作製して、従来は、T,B細胞相互作用に関与すると報告されていたOX40/gp34は、細胞接着にも関与していることを初めて証明した。た、gp34は、HUVEC以外の血管内皮細胞にも発現していることを明らかにし、OX40/gp34は、ATL細胞のin vivoでの増殖、臓器浸潤に関与しているのみならず、活性化T細胞と血管内皮細胞との接着にも関与し、種々の炎症病変形成にとっても重要であると考えられた。
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