研究課題/領域番号 |
06404049
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
吉竹 毅 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60010261)
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研究分担者 |
亀谷 雄一郎 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (30255129)
増永 敦子 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (60219350)
菅原 勇 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (10196701)
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キーワード | 重症筋無力症 / 胸腺 / 胸腺腫 / リンパ節 / 免疫組織染色 / RT-PCR / apoptosis / Bリンパ球 |
研究概要 |
重症筋無力症(MG)胸腺濾胞とリンパ節リンパ濾胞内B cellsの内、memory B cells分布においても、CD38、CD20抗体を用いた免疫組織染色で、明らかな差異を認めなかった。 胸腺腫非合併MG症例に於ける胸腺胚中心形成の程度と胸腺切除効果の関連について検討した結果、胚中心形成発達の強い例に切除効果が良く、又胚中心形成の発達に従い血清抗ヒトAch-R抗体価の上昇を見ることより、MG症例の胸腺切除効果は胸腺胚中心形成に関連すると推定される。胚中心形成の無い症例では切除効果は劣るが、術後ステロイド療法が極めて有効であった。 胸腺腫上皮細胞の胸腺皮質及び髄質発生由来とMGとの関連を検討するため、胸腺髄質細胞に特異的に強く反応染色する抗CK-17抗体を用い免疫組織染色を行った。MG胸腺腫では、髄質化(medullary differentiation)部に集合的に染色する例と腫瘍中に散在性に染色する例(MG胸腺腫の46%)があり、前者はほぼ多角型細胞より構成され、後者は多角型細胞と紡錘型細胞の混合型腫瘍に留まる。また、リンパ球混合程度との関連では上皮細胞優位型では多角型細胞であれ、紡錘型細胞構成であれ、CK-17の発現は認められず、更に浸潤型では陽性細胞を認めなかったが、胸腺扁平上皮癌では発現を認めた。CK-17発現はmRNAレベルでRT-PCR法を用い確認した。これらの結果より、胸腺腫上皮細胞の胸腺皮質あるいは髄質発生由来判定は細胞形態と免疫組織染色何れにおいても困難であった。MGとの関連では、CK-17陽性細胞を含む胸腺腫例において、残遺胸腺胚中心形成の著しい例が多く、また血清抗ヒトAch-R抗体価の高値を示した。胸腺腫のCK-17陽性細胞はAch-R抗体産生に関与し、更に腫瘍進展にも複雑に関与するようである。
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