研究概要 |
(1)虚血生細胞死と温度:ラット心停止モデルにおいて視床網様核における急性虚血生細胞死に対する低体温の保護効果を検討し、虚血中の軽微低体温には保護効果が認められることが明らかとなった。 (2)蛋白代謝の検討:前年に引き続き、ラット中大脳動脈閉塞モデルにおいてautoradiography法による蛋白代謝の測定を行なった。その結果、脳梗塞の遠隔部である視床では蛋白代謝の低下は認められず、一方、黒質では蛋白代謝の亢進が7日後にも見られることを明らかにした。 (3)apoptosis関連遺伝子の検討:前年に引き続きラット中大脳動脈閉塞モデルによりapoptosis関連遺伝子(c-myc, N-myc, s-myc, c-fos, p53, bcl-2)の検討を行ない、c-mycが虚血側前頭部皮質、海馬、視床で時間的依存性に発現し、c-fosも同様の部位で発現した。 (4)機能再生に関与する神経伝達物質の検討:ラットの中大脳動脈閉塞モデルの慢性期において空間認知を検討した後に部位別にアセチルコリンの測定を行なった。その結果、認知障害の回復が速い動物では頭頂部でのアセチルコリンが有意に増加していた。
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