研究課題/領域番号 |
06404051
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
田村 晃 帝京大学, 医学部, 教授 (80111532)
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研究分担者 |
松野 彰 帝京大学, 医学部, 講師 (00242058)
長島 正 帝京大学, 医学部, 教授 (70217991)
金光 秀晃 帝京大学, 医学部, 講師 (10129992)
中山 比登志 帝京大学, 医学部, 助教授 (00147050)
中込 忠好 帝京大学, 医学部, 助教授 (90198052)
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キーワード | 局所脳虚血 / 前脳虚血 / 虚血性神経細胞死 / アポトーシス / ストレス蛋白質 / 神経栄養因子 / スフィンゴミエリンサイクル / セラミド |
研究概要 |
(1)ストレス蛋白質の発現:従来のラット中大脳動脈(MCA)閉塞モデル(Tamura model)に加えてラットおよびマウスにおける栓子挿入法による局所脳虚血モデルにおいてHSPおよびHSPmRNAの発現を観察した結果、虚血に直接曝される領域では両者の発現が認められたが二次的に傷害される視床、黒質等ではストレス蛋白質のmRNAやタンパク質の発現は認められなかった。 (2)細胞膜リン脂質の変動:局所脳虚血における膜リン脂質の変動を検討した結果、FFAの蓄積は1時間と24時間にピークがあり、高度不飽和脂肪酸組成が両ピークで異なっており、PIP,PIP2が合成可能な6時間までは細胞膜の面からは可逆的であると推定された。 (3)apoptosisとスフィンゴミエリンサイクル・セラミドに関する検討:前脳虚血後の海馬のセラミド・スフィンゴミエリンの変動を検討した結果、海馬のスフィンゴミエリンは5分間前脳虚血30分後に最も低下し、この減少はスフィンゴミエリナーゼによるスフィンゴミエリンの加水分解に起因するものと考えられ、虚血後のスフィンゴミエリナーゼの活性化にアラキドン酸の関与が推定された。セラミドは虚血30分後に有意な上昇を示したが90分後には対照値に戻り24時間後に再び有意に上昇した。この結果、スフィンゴミエリン・サイクルが、遅発性神経細胞死に関与している可能性が示唆された。 (4)神経栄養因子の遺伝子発現:NGF、NT-3のantisenseプローブではどの横断面でもMCA閉塞群およびSham群ともmRNAは検出できなかった。BDNFは黒質ではmRNAは検出できなかったが、尾状核被殻を含む断面と海馬視床を含む断面ではmRNAが検出されたが、Sham群との差はみられなかった。
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