研究課題/領域番号 |
06404051
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
田村 晃 帝京大学, 医学部, 教授 (80111532)
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研究分担者 |
松野 彰 帝京大学, 医学部, 講師 (00242058)
長島 正 帝京大学, 医学部, 教授 (70217991)
金光 秀晃 帝京大学, 医学部, 講師 (10129992)
中山 比登志 帝京大学, 医学部, 助教授 (00147050)
中込 忠好 帝京大学, 医学部, 助教授 (90198052)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1997
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キーワード | 局所脳虚血 / 前脳虚血 / 虚血性神経細胞死 / 遅発性神経細胞死 / アポトーシス / 遺伝子発現 / スフィンゴミエリンサイクル / セラミド |
研究概要 |
(1)虚血による神経細胞死には、視床網様核にみられるような超早発性の神経細胞死、脳梗塞モデルで認められるような急性神経細胞死、蛋白代謝障害や遺伝子発現を伴った遅発性神経細胞死のようなアポートーシス類似神経細胞死、脳梗塞における遠隔部の緩徐な神経細胞死などの病態があることを明らかにした。(2)脳梗塞モデルでは虚血早期より蛋白代謝の低下がみられ、遠隔部では視床では変化が認められないが黒質では蛋白代謝の亢進が認められこと、MRIの観察で視床と黒質でintensityの違いが認められることこと等から両者の機序に違いがあることが明らかとなった。(3)脳梗塞モデルでアポトーシス関連遺伝子の発現を検討し、c-myc mRNAが虚血部で時間依存性に発現し、c-fos mRNAも同じ部位で発現するが、N-myc,s-myc,bcl-2のmRNAsの発現は見られないことが明らかとなった。(4)apoptosisのsecond messenger として注目されているセラミドとその関連物質のsphingolipidsと虚血性神経細胞死との関連を検討した。脳梗塞モデルではsphingomyelinは2時間後より減少しセラミドは6時間後より増加し両者の構成脂肪酸も一致した。また、前脳虚血後の海馬では虚血直後にsphingomyelinaseによるsphingomyelinの加水分解が起こり、虚血後のsphingomyelinaseの活性化にアラキドン酸の関与が推定された。セラミドは虚血30分後に有意な上昇を示したが90分後には対照値に戻り24時間後に再び有意に上昇した。この結果、スフインゴミエリン・サイクルが、虚血性神経細胞死に関与している可能性が示唆された。(5)記憶および神経再生への関与が推定されるアセチルコリンおよびアセチルコリン合成酵素および分解酵素の測定をラット脳梗塞モデルで行った。3者とも梗塞中心部・辺縁部での有意の低下が認められた。また再生に関与するGAP43の免疫染色を行い虚血辺縁部の神経細胞に淡白の存在が認められた。
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