研究課題/領域番号 |
06404052
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
高倉 公朋 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90109984)
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研究分担者 |
竹下 幹彦 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90138868)
田鹿 安彦 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (30130264)
伊関 洋 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90119892)
井沢 正博 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70075703)
久保 長生 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (10075690)
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キーワード | 脳腫瘍 / 神経膠腫 / 転移性脳腫瘍 / 悪性リンパ腫 / 放射線治療 / ガンマユニット / 下垂体腺腫 / 化学療法 |
研究概要 |
臨床的研究: 転移性脳腫瘍、悪性リンパ腫、悪性神経膠腫等の頭蓋内悪性腫瘍に対して局所療法としてガンマユニット治療を行った。 まず、転移性脳腫瘍22例44病変に対しての治療効果を述べる。腫瘍は単発11例、多発13例である。44病変の腫瘍平均体積は6.8mlであった。最大治療線量の平均は47.6Gyで平均辺縁線量は22Gyで治療を行った。平均経過期間は6か月である。局所の腫瘍制御率はは全病変で82%である。腫瘍体積は5ml以下の小病変では腫瘍縮小率は92%である。また比較的大きな腫瘍では62%と低くなる。しかし、本治療により早期に臨床上の改善が見られ、Qualiyt of life(QOL)の向上が得られた。頭蓋内悪性リンパ腫では再発および多発症例が多く、維持療法としての化学療法にも抵抗する。この腫瘍に対しても本治療を行ったところ、腫瘍の照射数日で腫瘍陰影の消失が見られた・現在まで3症例8病変に対して治療を行い腫瘍消失良好な結果が得られた。さらに、浸潤性下垂体腺腫に対い腫瘍増大は見られていない。したがってガンマユニットによる治療は脳腫瘍の局所治療法として今後応用の価値が高いと考えられる。 生物学的研究: 頭蓋内悪性リンパ腫36例の検討を行った。すべてがB細胞型である。手術療法は、放射線療法および化学療法をおこなった。免疫組織学的検索ではその増殖能の指標であるPCNAまたはMIB-1陽性率が高値を呈する症例が予後不良である。また、腫瘍組織でのT細胞の分布を検索したが同様にT細胞の浸潤が弱い症例が比較的予後不良である。 これらの免疫学的検索では通常の方法にさらにレーザー顕微鏡を用いることにより免疫学的検索がより確実となった。 64例の下垂体腺腫の浸潤程度および分泌能と増殖能について免疫組織学に検索した。分泌能と増殖能ではその相関は見られなかったが。大きな腫瘍では増殖能であるMIB-1陽性率が比較的高い傾向にあった。
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