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1994 年度 実績報告書

内在性抗脳虚血機構発現に関する研究-特に細胞膜機構・リセプタチャネル機構からのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 06404055
研究種目

一般研究(A)

研究機関新潟大学

研究代表者

下地 恒毅  新潟大学, 医学部, 教授 (30040158)

研究分担者 藤原 直士  新潟大学, 医学部・附属病院, 講師 (70181419)
熊西 敏郎  新潟大学, 脳研究所, 教授 (40018601)
福田 悟  新潟大学, 医学部, 助教授 (30116751)
キーワード抗脳虚血機構 / 細胞内カルシウム / 海馬スライス / 卵母細胞 / NMDAリセプタサブユニット / ケタミン
研究概要

本年度は主に以下の検索を行った。
1)脳損傷部位近傍における神経細胞の生理的変化に関する検索
(1)定位脳固定装置を用い、マウス海馬CA1領域に25G針にて微小な損傷を負荷し、損傷後2時間、1日、3日、7日および14日後に同マウスの海馬スライス標本を作製し、虚血(無酸素+無グルコース)灌流による[Ca^<2+>]_i変化を損傷を負荷しないシャーム群と比較検討したところ、損傷2時間後のスライスでは損傷群とシャーム群との間に差はなく、また損傷近位と遠位との間に差はなかったが、1日および3日後に作製したスライスでは損傷部近位の[Ca^<2+>]_i上昇は抑制され、シャーム群のスライスにおける[Ca^<2+>]_i上昇に比較して有意に低かった。損傷後7日および14日後のスライスでは損傷近位の[Ca^<2+>]_i上昇はシャーム群と差が認められなかった。以上の結果から損傷部位近傍に虚血による神経細胞障害を抑制する機序が発生していることが示唆された。
(2)マイクロダイアリシス法により損傷近傍組織における生理活性物質を検索したところ、熱ショック蛋白と思われるの免疫活性の増加が観測された。
2)虚血による細胞障害に関与すると考えられるNMDAリセプタに関する検索
(1)NMDAリセプタサブユニットのうちζとε_1、ε_2、ε_3、ε_4のうちのいずれか一つを組み合わせて発現させたアフリカツメガエル卵母細胞を用い、アゴニスト投与(グルタミン酸+グリシン)により誘発される内向き電流を測定するしたところ、ζとε_1またはε_2を組み合わせたヘテロメリックリセプタに対して、ζとε_3またはε_4を組み合わせたヘテロメリックリセプタでは異なる性質を示すことがわかった。
(2)また、ε_1、ε_2、ε_3、ε_4はそれぞれ異なった脳内分布を示しており、中枢ニューロンのグルタメート反応性に対するケタミンの作用が部位によって異なることや虚血に対する脆弱性との関連が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Baba H,et al.: "Synaptic responses of substantia gelatinosa neurones to dorsal column stimulation in rat spinal cord in vitro" J.Physiology. 478.1. 87-99 (1994)

  • [文献書誌] Aida S,et al.: "Differential regional effects of ketamine on spontaneous and glutamate-induced activities of single CNS neurones in rat" British.J.Anaesthesia. 73. 388-394 (1994)

  • [文献書誌] Honda T,et al.: "Prior mechanical injury inhibits rise in intracellular Ca^<2+> concentration by oxygen-glucose deprivation in mouse hippocampal slices" Brain Research. 666. 263-269 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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