研究概要 |
本研究は4つの小研究から構成された。 1)leser照射による前立腺肥大症の治療 NdYAG laser照射による前立腺肥大症の治療効果を27列について検討した。その結果全例で症状および最大尿流率の改善を得た。 2)laser照射前立腺組織における収縮能の変化 laser照射された組織とそうでない組織について、同一固体より得た前立腺組織のα_1-adrenergic receptorの解析を行った。Bmax,Kdともほとんど変化がなく、大きな変化はないものと考えられた。 3)去勢によるratの前立腺α_1-adrenergic receptorの変化 去勢ラットの前立腺の収縮能、receptorの変化を調べた。その結果、収縮能は単位組織量あたりで約2〜3倍に増強された。前立腺分画とprazosinの結合実験ではKd,Bmaxには変化はあるものの、去勢による収縮構成以外の組織の変化が大きく、必ずしもreceptorの変化とは言い難い結果であった。 4)前立腺のα_1-adrenergic receptorの性質の解明 ヒトの前立腺組織でreceptorのsubtypeをmRNAの発現を指標に測定し、1aと1dが優位であることが示された。また加齢と受容体の関係については、老齢ラットは若齢ラットに比べて受容体数が約30%であることが示された。 以上の小研究の結果から、前立腺のα_1-adrenergic receptorは、加齢で減少し、内分泌刺激にもreceptorの変化はないが組織全体では収縮力が大きく変化するが、レーザーの温熱刺激には余り反応しないことが示された。
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