研究課題/領域番号 |
06404061
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
玉井 信 東北大学, 医学部, 教授 (90004720)
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研究分担者 |
DURLU Yusuf 東北大学, 医学部・付属病院, 助手 (90250787)
山田 孝彦 東北大学, 医学部・付属病院, 講師 (40191316)
石黒 誠一 東北大学, 医学部, 講師 (20111271)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | 加齢黄斑変性症 / 網膜色素上皮細胞 / 網膜色素上皮移植 / 虹彩色素上皮細胞 / 虹彩色素上皮移植 / 細胞凍結保存 / bFGF / 遺伝子導入 |
研究概要 |
加齢黄斑変性症に対する治療の基礎的、臨床的基盤を築いた。加齢黄斑変性症の硝子体手術は全部で38例39眼となり2段階以上の改善が29眼、不変4眼、悪化が6眼であった。移植を目的とした手術手技は臨床症例を応用して、ラット、ウサギ、サルにまで広げられたが、手術手技を確立したのみならず移植した細胞を組織学的に免疫学的に検討し、MHC classII陽性細胞がRPEを移植し視細胞変性を遅延させた個体で減少していたことは、RPE移植が視細胞変性によって生じる、あるいは視細胞変性のひきがねのための免疫反応を抑制していることを推測させる実験結果と思われた。しかし電気生理学的面から免疫反応による葡萄膜炎等の可能性も推測された。この免疫反応をできるだけ回避するには自己の細胞を用いるのが最良と考えられ、同じ眼杯外板由来の虹彩色素上皮は採取することを考えても最良と考えられた。この細胞に遺伝性網膜変性動物の網膜変性の進行を遅延させると報告されているbFGF遺伝子を組み込むことにより網膜変性を遅延させることができ、新しい治療法の可能性を明らかにした。また細胞を冷凍保存しても、免疫染色あるいはウエスタンブロッティングによる検討で保存前後に差はみられず分化度はある程度保存されていることが確認された。培養した細胞はこの方法で70%以上の生存率を、培養していないウシRPEも60%以上の生存率が確認された(冷凍保存期間1ヶ月)。またtyrosinase,TRP-1,TRP-2といった色素合成に関与する遺伝子の発現にも冷凍保存前後で差を認めなかった。この冷凍保存した細胞も同じく視細胞の変性を阻止することが確認された。
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