研究分担者 |
高橋 直之 昭和大学, 歯学部, 助教授 (90119222)
須田 立雄 昭和大学, 歯学部, 教授 (90014034)
横瀬 敏志 昭和大学, 歯学部, 助手 (90245803)
池田 通 昭和大学, 歯学部, 講師 (00211029)
山口 朗 昭和大学, 歯学部, 助教授 (00142430)
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研究概要 |
平成4年度は未分化間葉系細胞から骨芽細胞、軟骨細胞、筋肉への分化過程におけるBMPの役割を解明することを目的として研究を行い以下のような結果を得た。 1)BMP‐2に応答する培養細胞系の検討 マウス胎児由来の線維芽細胞株(C3H10T1/2)、骨髄間質細胞(ST2)、骨芽細胞様細胞(MC3T3‐E1)、筋芽細胞(C2C12)、およびヒトの骨・筋肉由来の初代培養細胞の分化に及ぼすrhBMP‐2の作用を検討した。その結果、rhBMP‐2はすべての細胞のALP活性とPTH応答性を促進し、C3H10T1/2,ST2,MC3T3‐E,C2C12細胞のオステオカルシン産生を誘導した。また、rhBMP‐2はC3H10T1/2細胞で軟骨細胞の分化を誘導したが、他の細胞では軟骨細胞の分化を誘導しなかった。また、rhBMP‐2はC2C12細胞およびヒト筋由来細胞における筋管細胞の分化を抑制した。 2)Diffusion chamberを用いたBMP‐2の作用の解析 Diffusion chamber内にBMP‐2と種々の細胞を挿入して、ヌードマウスの腹腔内に移植すると、C3H10T1/2細胞では骨・軟骨組織が、MC3T3‐E1細胞、CT2細胞では骨組織が形成された。 3)C3H10T1/2,ST2,MC3T3‐E1細胞に対するrhBMP‐4およびrhBMP‐6の作用はrhBMP‐2と同様であったが、その強さはrhBMP‐4≧rhBMP‐2>rhBMP‐6の順であった。 以上の結果より、BMPsは未分化な間葉系細胞から骨芽細胞、軟骨細胞、筋肉などの細胞系への分化の振り分けの過程で重要な役割を担っていることが明かとなった。
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