研究課題/領域番号 |
06404066
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
石田 甫 徳島大学, 歯学部, 教授 (70028364)
|
研究分担者 |
江口 貴文 徳島大学, 歯学部, 助手 (90263847)
天野 伊知郎 徳島大学, 歯学部, 助手 (20212566)
石川 康子 徳島大学, 歯学部, 助教授 (40144985)
|
キーワード | 唾液腺 / 唾液分泌 / イソプロテレノール / 感作 / 脱感作 / 受容体 / G蛋白質 / 老化 |
研究概要 |
細胞に対する刺激を選択的に受容して、これを細胞内へ伝達する細胞膜受容体はそれぞれの作動薬との相互作用によって機能的に変化し細胞の多彩な生理機能の調節に関与していると考えられている。本研究は唾液腺を用いてβ-受容体とβ-作動薬との相互作用により当該細胞の応答の変動とその機序をβ-受容体-アデニル酸シクラーゼ系を中心に追究するもので、本年度は次の成果を得た。(1)ウィスター系雄性ラット耳下腺組織を1μMイソプロテレノール(IPR)で10あるいは30分間前処理した後、この組織をIPRを含まない反応液中で10分間休息させた。その後、この組織を再び同濃度のIPRと反応させると、アミラーゼ分泌は10分間の前処理の場合には著しく増強(Supersensi-tivity,S)され、また30分間の前処理の場合には逆に著しく抑制(Desensitization,D)された。一方、顎下腺の場合にはIPRによる前処理時間の長さにかかわらず、この組織からのムチン分泌にはDがみられた。(2)[^3H]ジヒドロアルプレノロールを用いた結合実験の結果、耳下腺のβ-受容体はS時には増量し、しかもβ-作動薬に対する親和性も増強された。しかし、S時においてもアデニル酸シクラーゼ活性は増強ではなく、抑制が認められた。一方、耳下腺・顎下腺のD時にはβ-受容体の減量とβ-作動薬に対する親和性の低下が見られた。(3)[^<E35>S]GTPγSを用いた結合実験の結果、Gi蛋白質の機能はS時には抑制がみられ、D時には増強がみられた。Gs蛋白質の機能はSやDに伴って変動しなかった。(4)G蛋白質のコレラ毒素あるいは百日咳毒素によるADP-リボシン(A-R)化を検索した結果、Gi蛋白質のA-R化はS時には低下し、D時には増大していた。一方、Gs蛋白質のA-R化はSおよびDいずれにも無関係であった。(5)耳下腺よりS時に分泌された分泌蛋白質をポリアクリルアミド電気泳動に供してその動態を検索した結果、34KDaの蛋白質はS時にもかかわらず著しく減少していた。
|