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1996 年度 実績報告書

唾液腺における刺激の受容と応答の分子機構とその老性動態

研究課題

研究課題/領域番号 06404066
研究機関徳島大学

研究代表者

石田 甫  徳島大学, 歯学部, 教授 (70028364)

研究分担者 江口 貴文  徳島大学, 歯学部, 助手 (90263847)
石川 康子  徳島大学, 歯学部, 助教授 (40144985)
キーワード唾液腺 / 細胞増殖 / イソプロテレノール / 核蛋白質 / ヒストン蛋白質 / 非ヒストン蛋白質 / りん酸化 / 老化
研究概要

細胞に対する刺激を選択的に受容して、これを細胞内へ伝達する細胞膜受容体はそれぞれの作動薬との相互作用によって機能的に変化して多彩な生理機能の調節に関与している。本研究は唾液腺を用いてβ受容体とβ作動薬との相互作用による細胞の応答の変動とその機序をβ受容体-アデニル酸シクラーゼ系を中心に追及するもので、本年度は研究実施計画に従って研究を行い下記の成果を得た。
1.分泌蛋白質、34および40KDaの蛋白質の精製と抗体の調製さらに細胞内局在・・・β作動薬を用いて短時間処理した耳下腺から分泌されるが、アミラーゼ(A)とは全くちがった分泌動態を示す34および40KDaの蛋白質を分離精製した。現在、両者の抗体を調製中である。
2.唾液腺G蛋白質のリン酸化と細胞応答との連関性及びその加齢変化・・・実験開始2時間前に[^<32>P]Piを投与したラットより得た耳下腺切片を用いて、β作動薬で10あるいは30分間前処理を行ってA分泌の感作あるいは脱感作現象を誘導させた。この組織より得た細胞膜からPM/1およびAS/7を用いてGsおよびGiをそれぞれ得て、これらのG蛋白質のりん酸化レベルの変動を調べたところ、A分泌の感作現象の誘導にはGiのりん酸化の増強が、脱感作現象の誘導にてGiのりん酸化の抑制が伴われていることを見出し、Giのりん酸化の調節がGiの機能の調節に極めて重要であることを明らかにした。現在、このGiのりん酸化理ベルトその調節機構及びその加齢変化について追究中である。
3.唾液腺アデニル酸シクラーゼのβ作動薬・ホルスコリンに対する反応性の加齢変化・・・1、2、4および8週齢のラットの耳下腺を用いてこのアデニル酸シクラーゼのβ作動薬に対する反応性を調べたところ、この反応性は4週齢までは極めて低いが、その後4から8週齢の間に著しく増強されることを見出した。一方、ホルスコリンに対する反応性は1および2週齢において最も高く、その後2から4週齢の間に著しく低下することを見出した。この機序をG蛋白質との連関で追究している。さらに、4および8週齢のラットの耳下腺を用いて、β作動薬による前処理の影響が週齢によって如何に変動するか検索中である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Ichiro Amano: "Dephosphorylation of nuclear non-histone proteins in submandibular glands of rats treated with isoproterenol." Research in Experimental Medicine. 194. 185-196 (1994)

  • [文献書誌] Yasuko Ishikawa: "Mechanisms of isoproterenol-induced heterologous desensitization of mucin secretion from rat submandibular glands." Canadian Journal of Physiology and Pharmacology. 72. 541p (1994)

  • [文献書誌] Yasuko Ishikawa: "Mechanism of isoproterenol-induced heterologous desensitization of mucin secretion from rat submandibular glands..." Biochimica et Biophysica Acta. 1265. 173-180 (1995)

  • [文献書誌] Cang Chen: "Age-dependent changes in response of rat prostatic tissues to isoproterenol and forskolin:changes with sexual maturation..." Mechanisms of Ageing and Development. 81. 1-13 (1995)

  • [文献書誌] Ichiro Amano: "Regulation of phosphorylation of Gi2α protein controls the secretory response to isoproterenol in rat parotid tissues." Biochimica et Biophysica Acta. 1313. 146-156 (1996)

  • [文献書誌] Yasuko Ishikawa: "Mechanism of β-adrenergic agonist-induced transmural transport of glucose in rat small intestine:Regulation of..." Biochimica et Biophysica Acta. (in press). (1997)

  • [文献書誌] 石田甫(編著者): "歯科薬理学(第3版)" 医歯薬出版株式会社, 612 (1995)

  • [文献書誌] 石田甫(分担): "最新医学大辞典(第2版)" 医歯薬出版株式会社, 2333 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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