研究課題/領域番号 |
06404067
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
須田 立雄 昭和大学, 歯学部, 教授 (90014034)
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研究分担者 |
片桐 岳信 昭和大学, 歯学部, 助手 (80245802)
宇田川 信之 昭和大学, 歯学部, 助手 (70245801)
高橋 直之 昭和大学, 歯学部, 助教授 (90119222)
新木 敏正 昭和大学, 歯学部, 講師 (90138420)
宮浦 千里 昭和大学, 歯学部, 講師 (20138382)
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キーワード | 骨粗鬆症 / エストロゲン / 骨吸収 / インターロイキン1 / インターロイキン6 / プロスタグランジン / カルシトニン / 破骨細胞 |
研究概要 |
1.エストロゲンの骨吸収抑制作用におけるサイトカインの役割 マウスに卵巣摘出(OVX)を施すと、骨吸収が亢進し骨量の急速な減少がみられる。この骨粗鬆症モデル動物を用い、骨塩定量と形態学的観察を行なうとともに、経時的に骨髄液を採取して生化学的解析を行なった。OVXマウスの骨量は偽手術(sham)に比して、術後2週目より有意に低下し、形態学的観察により破骨細胞による骨吸収の亢進が観察された。そこで、大腿骨および脛骨より無菌的に骨髄液を採取し、マウス長管骨器官培養系に添加して骨吸収活性を調べた。その結果、OVXマウスの骨髄液に検出された骨吸収活性は、Shamマウスに比して著しく高いことが明らかとなった。この骨吸収活性は抗IL‐1α抗体により、完全に抗IL‐6抗体により部分的に抑制された。また、プロスタグランジン(PG)の合成抑制剤であるインドメタシンによっても有意に抑制された。そこで、骨髄液のIL‐1αおよびIL‐6の濃度を、DlisaやBioassayにより測定した。骨髄液中のこれらサイトカイン濃度は血中レベルに比して著しく高値であり、また、OVXによりIL‐1α活性およびIL‐6濃度が有意に上昇した。しかし、骨髄液に検出されたIL‐1αあるいはIL‐6の単独の濃度では、骨吸収を促すには不十分であった。一方、OVXマウスの骨髄液に存在する濃度のIL‐1α、IL‐6ならびにPGE_2を併用添加したところ、OVXマウスの骨髄液に匹敵する高い骨吸収活性が発現された。すなわち、エストロゲンが欠乏すると、これら骨吸収性サイトカインの産生が高まり、相乗的に骨吸収を亢進させると結論された。 2.キメラカルシトニンの作用機構 キメラカルシトニンはサケ型カルシトニンとヒト型カルシトニンを半分ずつ用いて合成したキメラ体で、主作用の増強と副作用の軽減が期待されているが、その作用機構は明らかでない。そこで、マウス破骨細胞を用い、サケカルシトニンおよびヒトカルシトニンと比較した。その結果、カルシトニンレセプターへの結合性や骨吸収抑制作用の強度はサケカルシトニンと同等であることが明らかとなった。
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