研究課題/領域番号 |
06404070
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
長谷川 二郎 愛知学院大学, 歯学部・歯科理工学, 教授 (10064809)
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研究分担者 |
伴 清治 愛知学院大学, 歯学部・歯科理工学, 講師 (10159105)
河合 達志 愛知学院大学, 歯学部・歯科理工学, 講師 (60167351)
高橋 好文 愛知学院大学, 歯学部・歯科理工学, 助教授 (00090142)
福井 壽男 愛知学院大学, 歯学部・歯科理工学, 助教授 (50090147)
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キーワード | BMP / 骨形成因子 / インプラント / 生体材料 / 機能性材料 / 移植 / 骨誘導 / 代替骨 |
研究概要 |
前年度までに抗体精製による高精製BMPを得るよう実験を進めたが、精製されたBMP活性はきわめて低く他の方法を取ることが示唆された。そこで本年度は昆虫細胞を蛋白質発現系に使用しBMP遺伝子組み替え体を導入することにより人工合成BMPを作成することにした。 バキュロウイルスは昆虫細胞に感染し、効率に蛋白質を発現することが知られているが、このウイルスにBMP2挿入済みのベクターの供与を受けた。SF-9昆虫細胞を大量培養した後バキュロウイルスを感染させ、形質導入後X-galで蛋白質合成を確認して細胞体並びに細胞培養液の両者からrecombinant BMPを回収した。透析による脱塩後凍結乾燥を行ない、その活性を調べたところ、天然BMPに対して1/10程度ではあるがBMP活性があることが確認された。このスクリーニングを行なったところ水溶性天然BMPと同様、ゼラチン、変性でんぷんとの複合化がきわめて効果的であることが判明した。さらに、キチンなどの生体内吸収特性の低いキャリアーもBMP活性を上昇することが解かりさらにキャリアー選択の幅を広げる必要が示唆された。ゼラチンを使用して純チタン表面に人工合成BMPを結合させ、その新生骨誘導能を調べたところ、天然BMPの活性には劣るものの十分な量の新生骨をインプラント体周囲に誘導することが可能であった。この実験結果を用いれば臨床への応用はきわめて近い範囲にあると考えられるが、上記に述べたキャリアーの選択、人工合成BMPの高精製、金属表面の処理方法の検討、BMP2の新生骨形成能を補助する未知のファクターの追跡などが今後の課題と考えられる。
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