研究分担者 |
谷口 斉子 鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10264441)
重田 浩樹 鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10274854)
奥 猛志 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (50194486)
森主 宜延 鹿児島大学, 歯学部, 助教授 (60128460)
堀 準一 聖徳大学, 人文学部, 教授 (70010254)
|
研究概要 |
顎関節症の発症頻度を北海道の北見市,紋別市と沖縄県の平良市で調査した。教育施設別の発症頻度は,北海道の幼稚園7.5%,小学校12.2%,中学校16.0%,高等学校24.9%であった。沖縄県では幼稚園6.0%,小学校5.1%,中学校4.6%,高等学校10.6%と全ての施設で沖縄が低値を示した。なお,北海道と沖縄では幼稚園を除いて各施設で有意差をもって沖縄が低値を示した。顎関節症の発症ならびに症状の重症化の因子として,罹患者の身体的ならびに精神的要因の関与をCMIとGHQで北海道と沖縄の高校生を対象に調査した。その結果顎関節症の発症は,身体的自覚に過敏な対象が発症をもたらし,さらに精神心理的自覚に過敏な対象が,相加的あるいは相乗的に顎関節症の発症に関与することが示唆された。 一方,小児歯科外来における顎関節症患者25人のスプリント療法前後の治療効果をMRIで検討した結果,治療後の患側の顎関節ではJoint effusionは全て消失していた。また,顎関節症の治療法としてSuper Lizerの有効性を検討した結果,初診時の最大開口量が大きく,疼痛発現からの期間が短く,Joint effusionの認められない症例に有効である事が分かった。なお,鹿児島大学医学部小児科と鹿児島赤十字病院との共同研究であるJRA患者における顎関節の臨床症状ならびに顎関節のMRI所見を比較検討した結果,JRA患者のうち正常咬合者の27.3%に,不正咬合者では100%に顎関節症症状が認められた。MRI検査では,JRA患者のうち正常咬合者では18.2%に,不正咬合者では75.0%に関節円板の前方転位が認められた。さらに,JRA患者19名のMR画像での顎関節部滑膜炎所見と顎関節症症状との間に密接な関連が認められた。また,JRA患者のうち顎関節部滑膜病変を有する症例の血清中NO濃度が有意に高値を示す症例が多く,follow-upが必要である。
|