東北地方某県の小学校3、5年生児童(43〜48名の各学年3組)を対象にして、走、跳、投能力へのスキル練習効果をみた。平成6年度の研究における問題点、すなわち、(1)練習内容が統一されていない、(2)走、跳、投の3動作すべてを練習する時間はとれない、を解消するために、本年度は、3、5年生で練習内容を統一し、各組で1つの動作を練習することにした。予め、教師には週ごとの指導の強調点とそのための練習方法を説明しておいた。児童には、まずビデオ教材のじょうずな動作を見せて、その後、週ごとに習得する動作を説明しながら、練習させた。練習は1回約20分、3〜4回/週の頻度で8週間であった。その効果を文部省の運動能力テストでみたところ、3年女子の50m走、5年男子の走り幅跳びとソフトボール投げについては練習の効果が認められた。3、5年女子の走り幅跳びとソフトボールを練習した組で記録は伸びたが、その練習をしていない組でも記録は伸びたので、練習の効果とはいえなかった。 積雪期における小学校5年生児童の活動量を平成6年度と同様の心拍数測定から調べた。この時期の体育の授業ではスキーが行なわれているが、その授業中に心拍数が150拍/分以上になる時間は男子で21分、女子で30分であり、望ましい活動量を確保できる内容と考えられた。また、放課後に心拍数が150拍/分以上になる時間は、活動的な男子で10分、女子で7分、非活動的な男子で3分、女子で7分であり、非活動的な女子を除いて秋季の1/3〜1/6の時間であった。
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