研究課題/領域番号 |
06404079
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研究種目 |
一般研究(A)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
長山 淳哉 九州大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (90136466)
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研究分担者 |
柳川 堯 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (80029488)
福重 淳一郎 九州大学, 医学部, 助教授 (80128082)
岡村 建 九州大工, 医学部付属病院, 講師 (90150432)
佐藤 香代 九州大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (80170736)
飯田 隆雄 福岡県保健環境研究所, 生活化学課, 課長
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キーワード | ダイオキシン / ダイベンゾフラン / コプラナーPCB_S / 母乳 / 乳児 / 遺伝毒性 / 甲状腺機能 / 危険性評価 |
研究概要 |
平成6年6月から9月にかけて、出産後3ヵ月前後の母子40組を対象として研究を始めた。まず、40名の母親から50〜100mlの母乳を収集し、母乳のダイオキシン類および農薬などの濃度を測定した。ダイオキシン類としてダイオキシン、ダイベンゾフランおよびコプラナーPCBをまとめ、2,3,7,8-ダイオキシンとしての濃度に換算すると、平均濃度は1.31pptで、濃度の範囲は0.51〜2.53pptであった。また、PCBと代表的な農薬の平均濃度の測定結果を示すと次のようである。ただし( )内の数値は、それぞれの化学物質の最小濃度と最大濃度である。PCB:11.7ppb(5.6〜24.5ppb)、ヘキサクロロベンゼン(HCB):1.21ppb(0.49〜2.22ppb)、β-BHC:48.1ppb(2.2〜107.6ppb)、全DDT:75.8ppb(27.6〜156.3ppb)、ヘプタクロールエポキシド:0.36ppb(検出不可〜1.69ppb)、ディルドリン:0.76ppb(0.33〜1.37ppb)。このようにダイオキシン類や農薬などによる母乳の汚染レベルは、それぞれの化学物質により大きく相違しているが、個人による濃度の違いは一般に5倍前後と考えられる。 平成7年2月つより、生後10ヵ月前後の乳児の採血を行ない、染色体の変化、免疫能や甲状腺機能などの検査を行なうとともに、精神運動発展度の評価も行なっている。また、この採血時に母乳の採取量、母子の健康状態、食生活習慣や生活環境などに関する詳しいアンケート調査も行なっている。これらの検査や調査などは順調に行なわれているので、平成7年3月中には終了する予定である。これらの研究結果などをもとにして、母乳のダイオキシン類や農薬のレベルに影響を与える食生活や環境因子に関する解析や、母乳のダイオキシン類や農薬などによる遺伝子・染色体、免疫能、甲状腺機能や精神運動発達への影響について統計学的な解析を行なう。 平成7年度も新たな40組の母子について、同様の研究を実施する。
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