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1994 年度 実績報告書

肢芽の位置価に対応した細胞接着の分子機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06404084
研究種目

一般研究(A)

研究機関東北大学

研究代表者

井出 宏之  東北大学, 理学部, 教授 (70022704)

研究分担者 渡辺 明彦  山形大学, 理学部, 助手 (30250913)
大椙 弘順  東北大学, 理学部, 助手 (00201377)
山本 博章  東北大学, 理学部, 助教授 (40174809)
キーワード肢芽 / 位置価 / 細胞接着分子 / パターン形成 / 細胞選別
研究概要

四肢のパターン形成は中胚葉性の細胞集団のどの部分が軟骨に分化し、どの部分が繊維性結合組織に分化するかによって決まる。これが決められてゆく領域が進行帯で、この領域の細胞は、発生段階、位置に応じて分化方向を決める値、位置価を次々に指定されると考えられてきた。位置価の実体は不明であったが、ホメオボックス遺伝子群、特にHoxA,HoxDの発現状態が位置価と密接に関係するものと考えられている。しかしながらこれらの遺伝子の産物は細胞核内で働く転写制御因子であり、実際に肢芽内で起こっている調節等の細胞間相互作用から考えると、細胞表面の分子が位置価に関連して変わっており、これがホメオボックス遺伝子の制御の下にあると考えたほうが理解し易い。
我々は鶏胚肢芽の異なった発生段階の進行帯細胞間の単層培養下での選別を見いだした。更に基部側の細胞についても選別現象を見いだし、若い進行帯の細胞は発生の進んだ肢芽の基部の細胞と選別されないことから、これらの細胞の表面分子が位置価に対応する可能性を示した。
本年度は以下のことを明らかにした。
1.この選別は基質との接着を介さない寒天上の培養でも細胞塊内で起こるので、細胞間物質によらず、細胞接着分子によることを明らかにした。
2.この選別はカルシウム依存であるが、これは基質との作用によるもので、上記の細胞間の作用のみで起こる選別はカルシウム非依存性であることを見いだした。
3.繊維芽細胞増殖因子は選別を促進することを見いだした。
4.肢芽のRNAからカドヘリンの共通配列を用いてPCR法で得た産物の塩基配列を調べ、プロトカドヘリンをひとつ得た。肢芽内でのRNAの分布を現在調べている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Ide,H.,Wada,N.and Uchiyama,K.: "Sorting out of cells from different parts and stages of the chick limb bud." Developmental Biology. 162. 71-76 (1994)

  • [文献書誌] Wada,N.and Ide,H.: "Sorting out of limb bud cells in monolayer culture." International Journal of Developmental Biology.38. 351-356 (1994)

  • [文献書誌] Koshiba,K.,Tamura,K.and Ide,H.: "Expression of regeneration-associated antigens in normal and retinoid-treated regenerating limbs of Ambystoma mexicanum." Development,Growth & Differentiation. 36. 357-364 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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