研究課題/領域番号 |
06404084
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井出 宏之 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70022704)
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研究分担者 |
和田 直之 早稲田大学, 人間科原部, 助手 (50267449)
田村 宏治 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70261550)
山本 博章 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40174809)
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キーワード | 細胞接着分子 / 細胞選別 / カドヘリン / 肢芽 / パターン形成 |
研究概要 |
1)RT-PCR法により肢芽で発現しているカドヘリン遺伝子をスクリーニングした。その結果、既知のカドヘリンの遺伝子以外にプロトカドヘリンを含む12種のカドヘリンスーパーファミリーの遺伝子を得た。これらの発現を調べると、N-カドヘリンは発生後期の肢芽先端部に発現がみられ、選別との関係が示唆された。L-CAMはAERで特異的に強い発現がみられた。またプロトカドヘリン2はヒトのプロトカドヘリンPcdh2に対応する配列をもち、発現は肢芽発生初期には肢芽先端部、後期には肢芽前端部で強く、細胞選別との関係が示唆された。 2)18時間培養したstage25肢芽進行帯細胞を抗原として得たひとつのモノクローナル抗体は、stage20よりstage25肢芽の間充織を強く認識し、stage20進行帯細胞とstage25進行帯細胞の選別を阻害した。肢芽では軟骨形成とともに発現は消えたが、脊索、体節等にも強い発現が見られた。培養された肢芽細胞上では、抗体は細胞表面に結合していることが観察された。対応する抗原は発生段階に依存した細胞表面の差に対応した接着分子のひとつと考えられる。 3)stage20の進行帯細胞とstage25の進行帯細胞を混合すると独自のクラスターを作り、その中でそれぞれ軟骨分化し、クラスターの境界面では軟骨分化をしない。この性質とin vivoでの軟骨の分岐分節パターンとの関係を明らかにするため、stage20の進行帯細胞群とstage25の進行帯細胞群を15ミクロン離して並置培養する方法を考案した。細胞群間の間隙は培養開始後2時間程度で埋められるが、この境界には軟骨分化が起こらず、I型コラーゲンを発現する繊維性結合組織に分化した。細胞のラベル実験の結果、この繊維性結合組織の領域は常にstage25由来でり、境界面に接するstage20細胞では軟骨分化が促進されていた。
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