• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

シナプス形成時の神経と筋の相互作用と遺伝子の役割

研究課題

研究課題/領域番号 06404086
研究機関群馬大学

研究代表者

城所 良明  群馬大学, 医学部, 教授 (00053083)

研究分担者 吉原 基二郎  群馬大学, 医学部, 助手 (80222397)
キーワードグルタミン酸受容体チャネル / シナプス形成 / ショウジョウバエ変異株 / グルタミン酸受容体分布 / シナプス前終末 / シナプス小胞リサイクリング / シナプス型チャネル / シナプス外型チャネル
研究概要

本年度の実験計画にのっとって以下の結果が得られた。
1)グルタミン酸受容体チャネルの解析
我々はシナプス外膜にあるグルタミン酸受容体チャネルのキネテイスク,イオン透過性に関して詳しく記述した。またシナプス後膜にあるチャネルは異なることも示した。しかしシナプス後膜はパッチ電極を外からあてることができないためにそれ以上の解析が困難であった。そこで今回は雑音分析法を用いてシナプス型チャネルのキネテイクスを調べた。ホールセルモードで電圧固定をしておき、シナプス部に100μMグルタミン酸を投与するとチャネルの開閉による雑音が生ずる。これをフーリエ解析するとチャネルの平均開口時間がわかる。この解析の結果二つの開口時間、約5msと20ms,があることが分かった。前者はシナプス型で後者はシナプス外型チャネルによると思われる。シナプス外膜に同じようにグルタミン酸を投与すると20msのみの雑音が見られた。シナプス電流の下降期の時定数が約5msであることとも良くあっている。
2)変異株MY7919の解析
変異遺伝子がクローンされ、その塩基配列にもとづいてポリペプチドが合成された。現在抗体を作る作業を行っている。
3)シナプス前終末膨大部におけるイオン電流の解析
筋細胞を投与してシナプスboutonsを分離し、パッチクランプ法を適用して、各種電流を記録した。Ba^<21>存在下で持続時間の長い活動電位が記録され、Cd^<21>で阻害された。したがってこれはCa^<21>チャネルをBa^<21>が通っておこった活動電位と考えられる。さらにこのように分離したboutonsで伝達物質の分泌がおこっているかどうか調べるために蛍光色素FM1-43をとり込ませ神経を刺激してその放出を調べたところ、放出が確かめられた。このことから、この標本はシナプス前部でおこる出来事を調べるのに適していることが分った。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Chang,H.& Kidokoro,Y.: "Kinetic properties of glutamate receptor channels in cultured embryonic Dorosophila myotubes." Jap.J.Physiol.46. 249-264 (1996)

  • [文献書誌] Ueda,A.& Kidokoro,Y.: "Electrical between longitudinal body wall muscle fibers in the third instar larva of Dorosophila melanogaster." Invertebrate Neurosci.1. 315-322 (1996)

  • [文献書誌] Saitoe,M.,Tanaka,S.Takata,K.,& Kidokoro,Y.: "Neural acitivity affects distribution of glutamate receptors during neuromuscular junction foemation in Dorosophila embryos." Dev.Biol.(in press).

  • [文献書誌] Ciani,S.,Nishikawa,K.& Kidokoro,Y.: "Permeation of organic cations and ammonium through the glutamate receptor channel in Dorosophila larval muscle." Jap.J.Physiol.(in press).

  • [文献書誌] Iino,M.,Ciani,S.,Tsuzuki,K.,Ozawa.S.& Kidokoro,Y.: "Permeation properties of Na^+ and Ca^<2+> ions through the mouse ε2/5 NMDA receptor channel expressed in Xenopus oocyes." J.Memb.Biol.(in press).

  • [文献書誌] Kuromi,H.,Yoshihara,M.& Kidokoro,Y.: "An inhibitory role of calcineurin in endocytosis of syめaptic vesicles at nerve terminals of Dorosophila larvae." Neurosci.Res.(in press).

  • [文献書誌] Kidokoro,Y.,Nishikawa,K.& Yoshihara,M.: "Basic Neuroscience in Invertebrates".eds.Koike,H.et al." Japan Scientific Societies Press,Tokyo, 367 (1996)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi