1923年型関東地震断層の3次元構造とその活動履歴

1995 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 06405003
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 徳山 英一 東京大学, 海洋研究所, 助手 (10107451)
• 研究分担者: 西村 清和 通産省工業技術院, 地質調査所, 主任研究員 ; 末広 潔 東京大学, 海洋研究所, 教授 (20133928) ; 平 朝彦 東京大学, 海洋研究所, 教授 (50112272)
• キーワード: 関東地震 / 活断層 / イザナギ海底音響画像探査 / ディープトウ・サイスミックス探査 / 地震断層 / 相模トラフ / 海底谷 / ポック・マーク

研究概要

平成6年度に取得されたイザナギ海底音響画像記録を各種電算機処理することよって、相模湾全域の高解像海底音響画像を作成した。また、ディープトウ・サイスミックス探査の記録も併せて処理を行い、明瞭な“とう曲構造"を東京海底谷の河床で発見した。この成果に基づき、本年度に実施するピストンコアの採泥地点を予備的に決定することが出来た。
平成7年8月30日-9月5日の期間、用鉛によりディープトウ・サイスミックス探査、さらにピストンコアによる採泥を実施した。ピストンコアの採泥は9地点で行われた。4点が東京海底谷を横断する活断層を挟む地点で、2地点が三崎海丘の東北東の小海盆で発見されたポックマークで、1地点が東京深海扇状地のlower fanで、2地点が酒匂ファンデルタで実施された。
採取されたコアは即座に処理され、以下の測定が採取日に行われた。1)MST(間隙率、P波速度、磁気強度をコアを非破壊で計測する機器)計測。2)コアの記載。3)間隙水の化学分析。4)水銀注入式の間隙率の測定。5)帯磁率異方性の測定。また、コアのソフトX線写真撮影、XRFによる堆積物の化学分析も、その後試料を各研究室に持ち帰り行われた。
その結果東京海底谷から採取されたコアからはイベント堆積物が2つ確認された。上位のものは海底から35-40cm下の地点、下位のそれは150cmから下に存在する。この2つのイベント堆積物は巨大地震により誘発された可能性があり、上位のそれに含まれる木片の年代を^<13>Cを用いて決定することにより、1923年の関東地震に関連するものか否かが明らかにされるものと推測される。もしそうであるならば、1923年以前に発生した1923年型関東巨大地震は、堆積速度から1923年からさらに250年程度さかのぼるものと推測される。現在^<13>C年代を測定中である。
以上から、当初予定した成果はほぼ達成したものと判断される。

研究成果

• [文献書誌] 徳山英一 他: "相模湾の精密音響画像探査-深海活断層を探る-" 海洋調査技術学会第7回研究成果発表会・講演要旨集. 1. 14-15 (1995)
• [文献書誌] 徳山英一: "深海活断層の探査法-イメージングと活動履歴-" 月刊地球. 17. 515-523 (1995)
• [文献書誌] Hidekazu Tokuyama: "Ougin and deuelopment of Philippine Sea" Geology and Gecphysics of the Plippine sea. 155-163 (1995)
• [文献書誌] Fujio Yamamoto,Hidekazu Tokuyama et al.,: "Side-Scan Sonar Iomages in the Sagami Bay,Coutral Japan,obtained by IZANAGI" EOS. (1995)
• [文献書誌] Siegfried Lallemant,Hidekazu Tokuyama,et al.,: "First in-situ observation ot major baekthrust system of an active accretionary prism(eastern Naukai Trough-Japan)" Bull.Soc.France. 166. 823-834 (1995)
• [文献書誌] 西村清和,徳山英一 他: "深海曳航測器のマルチセンサ化について" 海洋調査技術学会第7回研究成果発表会・講演要旨集. 1. 9-10 (1995)