研究課題/領域番号 |
06405008
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小松 進一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00087446)
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研究分担者 |
山田 勝美 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 名誉教授 (30063316)
大場 一郎 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10063695)
相沢 洋二 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70088855)
小原 啓義 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40063367)
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キーワード | 電波干渉計 / トランジェント電波源 / ディジタル信号処理 / FFT |
研究概要 |
64素子電波干渉計は、世界ではじめて直接像合成を可能にした電波望遠鏡である。すなわち空間FFTプロセッサーによってナイキストレートでの像を得ることができる。今回、高性能の低雑音受信機、複素ミキサ-を取り付けることができ、感度を3倍に向上させることができた。これは、アンテナの集光面積を3倍に広げたことに相当する。その結果、新たに50億光年の距離にある活動天体であるガンマ線クェーサーや数日のタイムスケールの電波や光の強度の変動が観測されるBL Lac型天体を観測できるようになった。 これらの天体の中には、“超光速"の固有運動を示すものもあるが、これらの短時間変動現象は、相対論的速度で我々に向かって飛び出す膨張プラズマ雲が引き起こす時間圧縮効果と解釈できる。しかしマクロなスケールの相対論的運動の起源は、理解が進んでいない。これら、クェーサーや活動銀河の中心核などの系外銀河天体とよく似た振舞いをする天体が、我々の銀河系内に見つかりはじめた。いわばミニクェーサーである。我々がターゲットにしているCygX-3や、SS433、それに銀河系内ガンマ線天体である。 また(1997年)になってイタリア/オランダのガンマ線観測衛星SAXにより、30年間謎であったガンマ線バースト源が、宇宙論的距離にある銀河らしいことが分かった。まだ、事態は流動的であるが、相対論的ビ-ミングが予想外の効果を引き起こしている可能性がある。早稲田の観測装置をはじめ、多角的な観測体制が早急に必要である。 上記ハードウエアの改良に加え、田中による観測ソフトウエアの改良が順調に進み、自動観測が効率的に行えるようになった。
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