研究課題/領域番号 |
06405009
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
内藤 靖彦 国立極地研究所, 研究系, 教授 (80017087)
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研究分担者 |
江尻 全機 国立極地研究所, 情報科学センター, 教授 (30013692)
宮崎 信之 東京大学, 海洋研究所, 教授 (40101464)
加藤 明子 国立極地研究所, 研究系, 助手 (80261121)
谷村 篤 国立極地研究所, 研究系, 助手 (10125213)
福地 光男 国立極地研究所, 研究系, 教授 (80099936)
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キーワード | マイクロデータロガー / 生理・生態データ標識 / 自然遊泳動物 / 水中行動 |
研究概要 |
平成6年度は、国立極地研究所を中心に開発した標識型マイクロデータロガーを用いて、各種水生動物の行動を長期間連続的に計測し、動物の行動、生態、生理についての解析を行なうことを目的としている。野外において実施した実験は、北海道天売島、南大洋におけるウミウ2種、日本海におけるヒラメ、北海道噴火湾におけるネズミイルカ及び三陸大槌湾二おけるサケについて行なった。実験はほぼ予定通り進み、ウミウ類については潜水行動、胃内餌生物、水中における捕食行動記録(胃内温度記録)等の記録を多量(約60個体分)得ることに成功した。ヒラメについては3尾から水深・水温データを5秒毎に約15日間連続して得ることに成功し、鉛直移動行動と生理的関係、日周行動等についての基礎データを得た。ネズミイルカについても水深・水温データを2頭のイルカからそれぞれ2日間と4日間連続して得た。さらにサケからは水深・水温データ以外に初めて塩分データをサケに装着したマイクロデータロガーが得ることにも成功した。以上のデータは基礎データであり、現在それらのデータから行動、環境に関係するパラメーターの抽出を行なっている。各パラメーターの相互関係の解析、行動データ以外の周辺データと相互関係の解析等も行なっている。これらから水生動物が生理的、生態的にどのように自然界とのバランスの上に成立しているか、エネルギーの側面、捕食戦略の側面、生理的制限要因を通して検討を行ないつつある。最終的には自然界において生物の個体としてどのように維持されているかを多様かつ微細な生理・生態データから明らかにする。このための基礎となる技術的足掛かりを得ることに成功した。
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